ナンガー・パルバトのベースキャンプでテロ、10人の外国人観光客を含む11人が死亡
2013年06月24日付 The daily Jang紙

武装警官の制服を着用した18ないし20人のテロリストが襲撃。死者にはウクライナ人5人、中国人2人、ロシア人1人、および中国生まれの米国人、ネパール人、パキスタン人が1名ずつ含まれている。
中国人が1名生き残り、事件後外国人観光客に対する警備を強化し、活動を制限。ターリバーンのスポークスマンが、無人偵察機による攻撃に注意を引きつけたかったと、犯行を認める。

ギルギット(ニサール・アッバース、ジャング紙特派員、各通信社) ギルギット・バルティスターンのディヤーミル郡にある、ナンガー・パルバトのベースキャンプでのテロ行為により、外国人観光客10人とパキスタン人1人の11人が死亡した。パキスタン・ターリバーン運動(訳者注:Tahreek-e Taliban Pakistan)の2つの集団が事件への責任を認めた。ターリバーンのスポークスマンは声明の中で、襲撃の目的は、無人偵察機による攻撃に対して国際社会の注意を引きつけることであり、ワリーウッラハマーン(訳者注:5月29日に、米軍無人偵察機による攻撃で死亡。2013年5月30日の記事を参照のこと)の殺害に対する復讐であると述べた。死者にはウクライナ人5人、中国人2人、ロシア人1人、ネパール人1人、中国生まれの米国人1人、およびパキスタン人1人が含まれている。当局者によると、襲撃者は18ないし20人程度であり、武装警官の制服を着用していた。地元当局者によると、事件はディヤーミル郡の中心地であるチラースに近いブーネール・ディヤーミルにあるナンガー・パルバトのベースキャンプで起き、犠牲者の遺体はイスラーマーバードへ搬送された。ギルギット・バルティスターンのアターウッラハマーン内相は、事件後ギルギットでの観光客に対する警備が強化され、活動が制限された、と述べた。当局者によると、キャンプにいた中国人1人が助かり、治安部隊が救出した。テロリストは危険なオートマチックの武器を保有しており、外国人観光客を山小屋から連れ出して発砲した。また旅行のための書類などもほかの荷物と一緒に持ち去った。事件後、北方地域の国境警備隊が地域の統制を行った。アリー・シェール・ギルギット地域警察副所長によると、観光客に対する襲撃事件は、土曜と日曜の間の夜1時近くにディヤーミル地区のフェアリー・メドー(訳者注:Fairy Meadow)で起きた。そこにあるナンガー・パルバトのベースキャンプにいた10人の外国人観光客が、見知らぬ人物の発砲により死亡した。ギルギット・バルティスターン政府の補佐官は、観光客に対する警備が強化され、ギルギット・バルティスターンにいる観光客の移動に制限が加えられた。シェール・アリー警察副所長によると、正体不明の人物が外国人観光客が滞在しているホテルに押し入り、発砲した。容疑者の逮捕に向け、地域では捜索活動が開始された。同副所長によると、事件後、相当数の治安部隊が事件が起きた地域に送り込まれた。事件後、カラーコルム・ハイウェー上の警備も強化された。地域筋によれば、ギルギット・バルティスターンにおける外国人観光客の警備に関して不安が少し前にも当局者に伝えられていたが、当局はそれに対して注意を払わなかった。それ以外にも、活動禁止処分を受けているターリバーンのスポークスマンであるアヘサーヌッラー・アヘサーンは、ブーネール渓谷で、パキスタン・ターリバーン運動が、中国、ロシアおよびウクライナからの観光客を殺害したと述べ、部族地域における無人偵察機による攻撃で何の罪もない住民が殺害され続けているため、国際社会の関心を無人偵察機による攻撃に引きつけさせたかったのだ、と述べた。一方、ターリバーン運動(ジャンドゥッラー・グループ)が、ギルギット・バルティスターンにおける外国人観光客に対する悲しむべき事件の責任を認めた。ターリバーンのジャンドゥッラー・グループのスポークスマンであるアハマド・マルワトが、観光客にへの無慈悲な殺害の責任を、報道機関に電話をかけて認めたのである。ターリバーン運動のジャンドゥッラー・グループが、バローチスターン州内でもさまざまなテロ事件に関与していることは明確であろう。

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(翻訳者:萬宮健策)
(記事ID:180)