ダッカの路上で売られている食品のうち55%に細菌付着
2015年02月07日付 Prothom Alo紙
バングラデシュ国際下痢性疾患研究センター(ICDDRB)の研究で、首都ダッカの路上で販売されている食品のうち55%に様々な種類の細菌が付着していることがわかった。さらに食品を売っている人達のうちの88%の人の手に菌が付着していた。研究者は「売り手の意識を向上させることで食品の汚染を減少させることが可能だ」と語っている。そうして、“ダカの路上で売られている食品の安全性確保のための業者の態度変革を目指す試み”という名の研究でこのことが分かった。
昨日日曜日、ICDDRBの笹川ホールでこの研究の結果が発表された。この研究では2013年の12月から2014年の10月までの間に南部ダカ市当局の担当区域の7754人の路上食品販売業者を対象に調査が行なわれ、販売されている品物の検査が実施された。研究チームのリーダーを務めるアレヤ・ナヒドICDDRB准研究員は発表で、ダカの町の道にはおよそ20万人の業者が様々な食べ物を商っており、その中には果物、お茶、ジャルムリ(香辛料などで味付けしたはぜ米)、ピタ(米粉などで作られる餅に似た食べ物)、ピーナッツ、チョラ(豆の一種)、チョトポティ(豆、ジャガイモ、卵、コリアンダーなどを使って作るスナック)、フチュカ(小麦粉から作ったピンポン玉くらいの小さな揚げパンの中にジャガイモなどを入れたスナック。ヒンディーではゴールガッパー)、チャツネ、菓子、卵(茹で卵や揚げたもの)、パン、ポロタ(薄焼きパン)、プリ(揚げパン)、チップス、モア(はぜ米と黒砂糖で作る菓子)、ゴジャ(かりんとうのような菓子)、シンガラ(サモサ)、ショムチャ(ジャガイモなどの入った三角形の揚げものスナック)、ピヤジュ(ころもの着いたオニオンフライ)、ショルボト(ジュースなど冷たい飲み物)、果物のジュース、ハリム(豆やひきに香辛料などを入れたスープ状の食べ物)、アイスクリーム、麺類、ピラフ、テハリ(炒めご飯)、キチュリ(豆入りの雑炊)、米飯、シクカバブなどがある。
研究者たちは製造過程、料理法、保存方法、給仕などの過程において汚染されていることを発見した。汚染される、または菌が付着する大きな理由の一つが汚い水の使用だ。料理を売っている人達の手が汚れているため、手ぬぐいや食品を提供する皿や紙にも菌が付着するのである。この他にもハエや他の虫によっても汚染は起こっている。汚染が起こるもう一つの理由には頻繁にお金に触れることだ。アレヤ・ナヒド研究員は「これは売る方、買う方双方の意識が低いためと言える」という。研究の一環として、売り手たちの衛生面での意識を向上させる試みも行なわれた。研究チームのメンバーたちが業者に食品をむき出しのまま放置しないようにすること、口の細い容器を使うこと、材料や調理道具を清潔に保つこと、手洗いの励行やゴム手袋やポリ手袋を使うことなどを指導した。買い手側が食品を手で触らないように、また売り手側が何度も同じ水を使わないようにとの注意も行なった。こうしたことにより事態の改善がみられ、指導を受けた人たちの手にからばい菌の減少が確認され、販売される食品も汚染度が低くなった。
研究発表会に主賓として出席したモハンマド・モシウル・ロホマン地方自治体および協同組合担当大臣は「2013年に成立した食品安全法を施行すれば、状況の大幅な改善が見られるだろう。政府としては、食品の安全を目指した民間のすべての動きを100%支持する」と述べた。研究結果の発表に先立って、公衆衛生の専門家でICDDRBのアッバース・ブイヤン副理事長はあいさつの中で「どの町でも路上で売られている食べ物は食欲をそそるものだが、ダカ市の道路管理は地方自治体省にあり、国民の衛生管理の責任は保健省にある」と語った。さらにブイヤン副理事長は「ダカの路上で売られている食品についてはこの二つの省が一緒になって取り組む余地がある」とも述べた。
保健庁の元長官で国際連合世界食糧計画(WFP)の上級アドバイザーを務めるシャー・ムニル・ホセンは「クルナ市当局の協力でWFPは路上で食べ物を売っている300人の業者を対象とした研修を実施し、各人に販売用の特別仕様の車を提供した。現在はこの業者たちの売り上げはかつての2倍に増えている」と述べた。
この日の研究発表の後半では、科学情報の取り扱いにおけるメディアの役割について討論会が行なわれた。参加したジャーナリストたちは、2つの組織から互いに矛盾する情報が提供されるとジャーナリストは判断に困ることになり。読者たちが迷う結果になると述べた。
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(翻訳者:伊藤巧作)
(記事ID:380)