チャマン、アフガニスタンが攻撃、11人が死亡
2017年05月06日付 The daily Jang紙

10時間におよぶ国境越えの銃撃および砲撃、報復攻撃でアフガニスタン軍の駐屯所3ヶ所を破壊、職員死亡、「バーべ・ド―スティー」は閉鎖、パキスタンの抗議

・カリー・ルクマーンとカリー・ジャハーンギールで人口統計調査チーム警備隊員と民間人居住地を標的、死亡者には女性3人と子供5人を含む民間人10人と国境警備隊員1人を含む、負傷者45人、パキスタン空軍厳戒態勢、陸軍部隊発進
・国境の村々から避難、教育機関閉鎖、両国軍の作戦本部長官(GDMO)のホットラインでの対話、トルハム国境検問所も封鎖、アフガニスタン代理公使の呼び出し、報復を行う当然の権利を有している──外務局

チャマン、イスラーマーバード、カーブル(通信各社):-インドの示唆を受けてアフガニスタンの、パキスタンの国境地域における人口統計調査を妨害する陰謀。カリー・ルクマーンとカリー・ジャハーンギールへの10時間におよぶ国境越えの銃撃および砲撃。人口統計調査チームの警備についていた国境警備隊員と民間人居住地を標的にし、その結果、女性3人と子供5人を含む民間人10人と国境警備隊員1人が死亡、国境警備隊員4人を含む45人が負傷、当地域での人口統計調査は中断。パキスタン国軍の存分な報復攻撃でアフガニスタン軍の駐屯所3ヶ所を破壊、またアフガニスタン国境警察職員37人死亡の情報。双方とも何時間にも及ぶ激しい銃撃の応酬、事件の後パキスタン・アフガニスタン国境の「バーべ・ド―スティー(友情の門)」は、あらゆる種類の往来に対し閉鎖。商業活動も中断。ゼロ・ポイントに隣接する村々からは住民全員を退避、住民の移動が開始。教育機関は無期限閉鎖。アフガニスタン代理行使の外務局呼び出し。事件に対する激しい抗議。事件後空軍に警戒体制を取らせる一方、陸軍部隊をチャマンに向けて発進。パキスタン、アフガニスタン両国軍の作戦本部長官(GDMO)のホットラインでの対話、国境線上でのフラッグ・ミーティング*開催。一方、ハイバル管区のトルハム国境検問所も封鎖。外務局スポークスマンの弁では、「パキスタンは報復を行う権利を有している」という。

詳細によると、
金曜の朝アフガニスタン国境軍はチャマンのカリー・ルクマーンとカリー・ジャハーンギールにおいて一方的な銃撃と砲撃を行った。その結果、民間人10人と国境警備隊員1人が死亡し、45人が負傷した。遺体と負傷者はチャマン市民病院に搬送され、殉職したハサン・アリー隊員の告別礼拝が金曜にクエッタで執り行われた。パキスタン三軍統合広報部(ISPR)によると、アフガニスタン国境警察は人口統計調査チームの警備についていたバローチスターン国境警備隊員を銃撃したという。声明にはこうある。すなわち、4月30日よりアフガニスタン国境警察はカリー・ルクマーンとカリー・ジャハーンギールでパキスタン側国境内で行われていた人口統計調査の妨害を繰り返しており、アフガニスタン行政当局への事前通告のみならず、人口統計調査に万全を期すために外交および軍事レベルでの協力と接触にもかかわらず、アフガニスタンによる妨害は続いたままである、と。
マスコミの報道によると、事件の後パキスタン軍は存分に報復攻撃を行いつつ、アフガニスタンの国境警察の駐屯所3ヶ所を破壊するとともに、アフガニスタン国軍側の大きな人的被害の情報もある、という。マスコミの報道では、地元の治安筋の話としてアフガニスタンの職員37名が死亡し、14名が負傷したと主張されている。緊張の後、チャマン国境の「バーべ・ド―スティー」は全面的に閉鎖され、商業活動も中断された。ゼロ・ポイントに隣接する村々からは住民を残らず避難させた。アフガニスタン軍は、退却の後手を上げながら攻撃中止を表明し、アフガニスタン兵士たちは駐屯所を捨てて逃亡した。

ところで、アフガニスタンの代理公使を木曜外務局に呼び、チャマンのパキスタン・アフガニスタン国境におけるアフガニスタン軍による一方的な銃撃に対する激しい抗議を伝えた。アフガニスタンの代理公使にはこう述べた。すなわち、パキスタン人職員は自国の国内で人口統計調査の絡みで職務に従事しており、これについてアフガニスタン政府にも事前通告していた、と。パキスタンはアフガニスタンに、一方的な銃撃の再発阻止に向けて即座に措置を取り、違反者を取り締まるように強く要求した。

外務局のスポークスマンのナフィース・ザカリヤーはイスラーマーバードで週1回の定例報道陣向けブリーフィングの中でチャマン国境でアフガニスタン軍によって行われた銃撃に対し強い危惧の念を表明した。曰く、人口統計調査チームはパキスタン領内で職務に従事しており、人口統計調査に関してはアフガニスタンに事前に通知していた、と。曰く、アフガニスタン軍のこの攻撃を受けてパキスタンはこれに報復する当然の権利を有している、と。[更に曰く、]インドはアフガニスタン問題とは無関係であり、同問題解決への一助でもあり得ず、ただ、アフガニスタンの国土をパキスタンを不安定化にさせるために使用し、パキスタンとアフガニスタンの両国関係を悪化に導いている、と。一方チャマンの国境での一方的な銃撃を見据えて、パキスタン、アフガニスタン両国軍の作戦本部長官(GDMO)のホットラインを通じての対話もあった。三軍統合広報部(ISPR)によると、パキスタン軍作戦本部長官、サーヒル・シャムシャード・ミルザー少将はアフガニスタン軍のカウンターパートとのホットラインでの話し合いの間アフガニスタンの国境警察のパキスタン軍及び市民への3名の犠牲者を出した銃撃を激しく非難したという。彼は「パキスタン・アフガニスタン国境の国境線は村の中を通過しており、パキスタン軍と村人たちはパキスタン領内におり、アフガニスタンはこの問題の透明性のある調査に当たるべし。両国は共に各々の自国の国境線を範囲に活動すべきです。」と発言したといい、アフガニスタン軍の作戦本部長官もパキスタンの主張を認めつつ、「村は、両国の間の国境線で分断されており、アフガニスタン軍は自国の領内にとどまります」と述べたという。また「緊張は緩和に向かうでしょう。問題を提起しましょう。必要な指示を出しましょう」と述べたということである。三軍統合広報部によると、ホットラインでの対話の後パキスタン・アフガニスタン国境フラッグ・ミーティングも行われたが、その頃には、銃撃は止んでいたという。
AFPによると、アフガニスタン側のカンダハール州知事スポークスマン、サミーム・フパルワクは次のように非難したという。すなわち、人口統計調査チームはアフガニスタン領内で調査を行っており、アフガニスタン軍がこれを制止したところ、小競り合いが始まり、これは数時間続き、双方が人的被害を負った、と。アフガニスタン政府当局者によると、国境地域で増員を図った、と。ロイター通信によると、ズィヤー・ドゥッラーニー・カンダハール警察スポークスマンは、パキスタン人職員は人口統計調査を隠れ蓑に村人たちを政府に敵対するよう扇動しており、彼らは我々の警告を無視したと主張したという。ちなみに、カンダハール警察長官、アブドゥッラッザーク将軍は死亡者の数の点で食い違う発言を行っている。AFPによると、アブドゥッラッザーク将軍は、銃撃によって民間人1人が死亡し、国境警察職員17名が負傷したと述べたというのに対し、ロイター通信によると、彼は事件でパキスタン人兵士40人とアフガニスタン人職員14名を含め77人が死亡したと述べたという。ただ、アフガニスタンの通信社、トゥルー・ニュースは、カンダハール警察の話しとして、アフガニスタン国境警の職員4人が死亡し、職員14名を含め37人が負傷したと伝えている。余談ながら、バローチスターン州キラー・アブドゥッラー県でも国境に位置する2ヶ村で人口統計調査が中断された。人口統計調査の統括責任者ムハンマド・アシュラフは、「カリー・ルクマーンとカリー・ジャハーンギールでの人工口統計調査チームに対するアフガニスタン軍の銃撃を受けてこれを中断した。状況を検討した上人口統計調査は再開の見通しである」と述べた。
話変わって、ナワーズ・シャリーフ首相はアフガニスタンの国境警察によるパキスタンの民間人及び警備隊員に対する銃撃を激しい口調で非難した。ナワーズ・シャリーフ首相は自身の声明の中で、今回の事件を遺憾であると位置づけ、「このような事件は、地域の平和と安定に対する我々の取組みとは正反対であり、アフガニスタン政府には永続的にこの手の事件の再発を防ぐ責任がある」と述べた。

*訳注:国境線上で両国の司令官が行う緊張緩和に向けての会談。随行員の1人が国旗をかざす。

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(翻訳者:鐙裕樹)
(記事ID:643)