経済回復が最優先である

2013年05月15日付 The daily Jang 紙
急速に衰退する経済と増大するテロは、現在わが国の最も深刻な内政問題である。治安の悪さ、物価高、失業、停電、不況やその他の諸問題から救ってくれるだろうと、民衆は代わりの指導部を信任する投票をした。そして連邦で大多数を獲得したムスリム連盟(N)の指導部がこのことに関する自分たちの責務を十分に認識していることは喜ばしいことである。党首であるミヤーン・ムハンマド・ナワーズ・シャリーフ氏は3週間以内に首相に就任するが、外国のメディアに対しての談話で、足元がふらついている経済を立て直すために、すでに100日間の計画をたてたことを打ち明けた。またテロの被害を受けている地域で平和を回復させるために、全政党の合意を望んでいるとも語った。ナワーズ・シャリーフ氏は自らの政権が多くの厳しい難題に立ち向かわねばばらないだろうし、これらの難題を処理するために、明確な予定表をもって作業を行うだろうと言った。パキスタンを混迷の状況から抜け出させることが彼の最優先事項である。テロのような問題の解決には武装した軍隊を引き連れてゆくだろうし、民衆の諸問題の解決のためには、諸政党の協力を得るだろう。ひどい状況にある経済の回復のために、100日間内の特例措置の計画立案は、職を探してさまよい、失望や落胆に陥っている民衆にとって希望に満ちた未来へのメッセージである。ミヤーン・ナワーズ・シャリーフ氏は素晴らしい経済運営者としての名声を有しており、これから5年間彼が政府を運営することを民衆が指図したのは、彼が経済的混乱や汚職をなくし、我が国を経済的繁栄の道へと踏み出させるだろうと期待してのことである。彼自身もパキスタンを経済的に「アジアの虎」にしたいと表明している。そして今や、国民は彼にこの夢を実現させる機会を与えたのであるから、様々な実践上の困難や障害にもかかわらず、彼が民衆の期待に十分に応えることも望めるのである。ムスリム連盟の勝利によって資本家たちの意気があがっており、カラチ証券取引所が株式指数の点で我が国の歴史上最も高い水準に到達しているのは喜ばしいことである。経済専門家たちは選挙結果によって株式市場で長期的安定の段階が始まったと述べている。治安の現状を改善する努力が実を結べば、不景気もなくなるであろう。資本の海外移転の傾向も少なくなり、国内での資本投下が増加し、民間部門で新しい雇用機会が生まれ、失業を抑えるのに助けとなるだろう。実際のところ、テロや治安の悪さや恐怖の雰囲気はビジネス活動に大変な悪影響を及ぼしている。ナワーズ・シャリーフ氏が自らの誓約にしたがって、もし諸政党と軍を引き連れて進めば、テロに対する効果的な政策をつくり、この悪鬼をコントロールすることができるだろう。彼はエネルギー危機をなくすために小規模ダムを建設するという意向を示している。それは結構なことだが、それに加えて石炭、風力、太陽光、サトウキビの搾りかす、やその他の天然資源での発電やガスや石油の埋蔵の探索にも注意を向ければ問題が解決する可能性がある。しかしこのためには確固たる計画が必要となろう。カシミールや他の諸問題に関してのインドとの交渉の問題に関しては、1999年に途絶えてしまった地点から始まるだろうとナワーズ・シャリーフ氏は述べている。これもひとつの建設的な考えである。インドとの諸紛争の平和的な解決が見つかればそれによってインド亜大陸に永続的な平和が打ち立てられるだけでなく、両国の経済もしっかりとするだろう。経済の回復とテロの撲滅の努力のなかで、国民の合意を得たいという希望も国民の望むことにぴったり合致している。必要なのは、これに関連して明確な行動計画と方向性を定めることである。方向性が定まれば、民衆は安心し、新政府は民衆の力によってみずからの予定表を成功裏に遂行させることができるだろう。


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翻訳者:萩田 博
記事ID:109