油の中にコカイン

2015年06月28日付 Prothom Alo 紙

 チョトグラム港で押収された、ひまわり油の輸入品の1つのサンプルに、液体コカインが含まれていた。バングラデシュ科学・産業研究評議会(BCSIR)とバングラデシュ薬物検査研究所の個別の検査でこの事実が確認された。
 港で押収された輸入品のうち、「96番」の番号が付けられたドラム缶にコカインがあると分かった。サンプルが採取されたドラム缶には185キロのひまわり油が入っていた。関税捜査調査庁の職員は、この油の1〜3割にコカインが含まれていると考えている。
 プロトム・アロ紙が薬品管理庁長官のモスタフィジュル・ロホマン少将に尋ねたところ、「私の知る限り、バングラデシュで差し押さえられたコカインとしては最大量のものだ」と語った。
 コカイン密輸の疑いがあったため、去る6月6日夜、コンテナは港で密封された。6月8日にコンテナが開封され、107のドラム缶それぞれに185キロのひまわり油が入っていることが分かった。この油のサンプルを採取して行われた最初の検査ではコカインは確認されなかったが、関税捜査調査庁や警察幹部は調査方法に納得がいかなかった。そこで更なる調査を行うため、すべてのサンプルが2つの検査所に送られた。
 関税捜査調査庁のホセイン・アハメド副長官は昨日土曜日、プロトム・アロに「2つの検査所でサンプルのひとつからコカインが確認された。コカインと分かったことで、輸入された油は現在厳しい監視下に置かれている。関係者に対して警察は法的手続きをとるだろう。」と語った。
 BCSIRのモハンモド・ノジュルル・イスラム委員長はプロトム・アロの取材に対して「ひまわり油のサンプルのひとつに液体コカインの存在が認められた。しかし、すべてのサンプルが検査されたわけではない。すべての荷のサンプルの検査が順次行われている。」と明らかにした。
 麻薬取締庁の職員によると、一般的にコカインは粉末状で運ばれることが多い。液体コカインが密輸された例はこれまで無かったという。闇市場では粉末状のコカインはキロ当たり3500万タカで取引される。
 ボリビアからひまわり油として輸入されたこの荷はウルグアイ・モンテビデオ港を経由して5月12日チョトグラム港に到着した。荷受人はチョトグラムのカトゥンゴンジョのカーン・ジャハン・アリ社となっていたが、同社のヌル・ジャハン・アリ会長はこの輸入品とは関係がないと主張している。警察捜査係はこの事件でカーン・ジャハン・アリ社の関連会社プライム・ハッチャリー幹部ゴラム・モシュトファを逮捕した。しかし、最初の検査でコカインの存在が確認されなかったことで、チョトグラム港湾警察署は彼を刑事事件被疑者として刑法54項に逮捕理由を切り替えた。
 現場検証からの疑念:6月8日チョトグラム港港内で麻薬取締庁の職員は化学試薬で107のサンプルを調べた。そこでは、コカインの存在が認められなかったと、その時は報じられた。海軍の化学物質測定用のツールで検査しても、どのサンプルでもコカインは確認できなかった。しかし、この一連の検査で、警察や関税捜査調査庁の係官は納得できなかった。
 麻薬取締庁のドゥラル・クリシュナ・シャハ主任科学技師に「最初の検査でどうしてコカインはひっかからなかったのか?その後、どうやって検査にひっかかったのか?」と尋ねたところ、彼は「私たちの検査ツールやキットでコカインの存在を調べた。その時、検査にはひっかからなかった。そのため、その後他の検査所に送られた。」と答えた。


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翻訳者:小ノ澤 志歩
記事ID:437