IMFとの間で60億ドル融資の協定、電気代値上げ、税の一様な負担

2019年05月13日付 The daily Jang 紙
最終的な承認はIMF理事会が行う、融資は39ヵ月間で実施される、世界銀行及びアジア開発銀行から30億ドルの融資、次の予算案に重要な財政措置、税控除の廃止、特別な優遇の廃止、基礎的財政収支の赤字をGDPの0.6パーセントに抑える

経済政策は更に厳しく、国立銀行は自由裁量幅が拡大

パキスタンは3年間で構造改革とマクロ経済政策を実行、パキスタン国立銀行は、インフレの抑制に注意を集中、変動相場制へ移行する、民間の経済活動をより強化する必要性、課税政策及び行政改革の強化により政府の資金調達の改善、政府債務削減の見通し、政府諸機関の赤字払拭に助けとなる、社会的に貧困な後進社会階層は保護される──IMFの声明
IMFの提案する改革派我々の利益に適う、2~3の部門で幾つの品目の値上げあり、300ユニット以下の電力消費者には値段据え置き、エヘサース及びベーナジール公的所得扶助プログラムの予算に80億ドルの上乗せ──財務顧問


イスラマバード(ジャング特派員 ジャング紙):-パキスタンとIMFの間で、60億ドルの一括融資に向けての協定が結ばれた。融資は3年3ヵ月に亘り何度かに分けてパキスタンになされる。協定の最終的な承認はIMF理事会が行う。電気代が値上げとなり、税の負担も一律となる。日曜日にIMFから出された声明によれば、IMFと今後3年間の拡大信用供与と引き換えに経済政策に関する事務レベルの協定が成立したという。IMFの声明によれば、拡大信用供与の目的は、政府当局の支援、対外及び対内不均衡を緩和し、強力で、末端レベルに至る包括的な成長に向けての戦略、透明性の向上、社会的支出の増大であるという。野心的な構造改革に基づき経済政策が実行されることにより、経済が発展し、生活水準が向上する。パキスタンの国際的パートナーからの経済援助も重要である。それにより政府当局の調整に向けての試みにおいて一助が得られるとともに、中期的なプログラムの目標を達成が可能となる。声明によれば、パキスタンの要請によりアーネスト・ラミレーズ・リゴー率いるIMF交渉団は、4月29日から、5月11日までの間、経済改革プログラムのためにイスラマバードを訪れたという。訪問の最後でアーネスト・ラミレーズ・リゴー氏が出した声明によると、パキスタン当局とIMFチームの間で、事務レベルの協定が成立したという。これに基づき、39か月に亘り約60億ドルの拡大信用供与の下融資が提供される。この協定はIMFの運営母体と理事会の承認が条件となっており、それに基づき適時の実行と、世界のパートナーの支援の約束の確認がなされる(?)。声明によれば、パキスタンは、経済的な難題に直面しているという。それらには、経済成長の鈍化、止まらぬインフレ、多額の対外債務、脆弱な対外状況が含まれるが、これは、急速な経済成長を狙いとして、危険な水準までの支出の増大と構造的、制度的様々な欠陥を招いた最近前政権の遺物である不均衡で不安定な経済政策を如実に反映したものであるという。パキスタン首脳は、これらの難題に加えて、大規模な闇経済、人的資源への投資不足、更には貧困と取り組む必要性があることは十分認識しており、この絡みではパキスタンは既に困難ではあるが、不可避の対策に着手している。また、パキスタン国立銀行の助けを得て経済の安定の調整が試みられている(?)。それらの試みを更に強化する必要があるのである。経済を安定した軌道に再度乗せること、自信を強め、危険性の素早い除去のために、外部金融と並んで決定的な政策と改革を実行する必要がある。そのためには民間の経済活動をより強化するとともに、雇用を創出する必要があろう。

拡大信用供与の助けを借りて、次の3年間で構造改革とマクロ経済政策を実行する。2019-20年次会計年度予算において、パキスタン政府によって最初の重要な経済的な策を講じられる。予算において歳入に向けての課税政策措置(?)、税控除の廃止、特別な優遇の廃止、税務管理の改善によって基礎的財政収支の赤字をGDPの0.6パーセントに抑える。開発のために必要なコスト削減、ベーナジール公的所得扶助プログラムへの基金の増額、ターゲッティッド助成金における改善の諸目標達成において一助となろうし、社会的に貧困な後進社会階層の保護につながる。パキスタン国立銀行は、インフレの抑制に注意を集中する。物価の高騰は貧困層を直撃する。また、変動相場制への移行によって金融部門や一国経済によりよい資源を割り当てる上において重要な役割を演じられよう。パキスタン首脳は、パキスタン国立銀行の権能と運営における自由度をより高める意向である。野心的な構造改革に基づき経済政策が実行されることにより、経済が発展し、生活水準が向上するであろう。これにおける優先事項、様々な部門における政府機関の経営改善、政府機関やガヴァナンスを強化すること、資金洗浄の撲滅、テロ組織への資金の流れを断つ上で一助となる一方、都合のよいビジネス環境と商取引における便宜の提供が増大する。国家財政委員会(NFC)を見据えて、政府は州政府と力を合わせて現在の諸制度を均衡させる選択肢を探る。IMFのチームはパキスタン高官によるおもてなしと建設的な対話に関して謝意を表した。

イスラマバード(通信社 モニター班):-アブドゥル・ハフィーズ・シェイフ首相付財務顧問はこう述べた、「パキスタンと国際通貨基金(IMF)との間で協定が成立しました。これに基づき、IMFはパキスタンに3年間に亘り60億ドルの拡大信用供与を実施します。パキスタンは3年間で60億ドルを手にする一方で、世界銀行とアジア開発銀行から更に20~30億ドルを低利で融資を受ける見込みです。協定は、IMF理事会の承認の後実施に移されます。」と。政府とIMF使節団の技術チームとの話し合いの後、国営放送との会話の中で彼は述べた、「協定により我々の対外債務支払いの状況は改善に向かうでしょう。我が国の貿易収支は昨年20億ドルの赤字にまで達しました。過去2年間で外貨準備高は50%減少する一方、対外債務は900億ドルにまで達しました。」と。ハフィーズ・シェイフ博士曰く、「コスト削減は、我々の利益につながります。赤字経営の諸機関の改善は、我々の利益につながります。富裕階層への助成金打ち切りは、我々の利益につながります。富裕層からより多くの徴税は、我が国全体の利益つながります。」と。曰く、「パキスタンでは長年に亘り、多数の事柄が是正されないままでありました。IMFのプログラムに基づいて構造的な問題を解決する最良のチャンスです。パキスタンでは輸出の増加が長続きすることはこれまでありませんでしたし、外からの投資もあり得ませんでした。国家諸機関の状況は相変わらずでした。歳入においても捗々しい増加ありませんでした。私たちはこの構造改革が、私たちの利益につながるものであることに留意しなければなりません。それを通じて、私たちは、将来我が国民を繁栄へと導くことができますし、その生活水準を向上させることができます。」と。ある質問に答えて曰く、「パキスタンを連続的な着実な進歩と繁栄に導くには、これらの改革は必至です。」と。また、別の質問に答えて曰く、「必要以上に支出を重ねた非常に多数の部門がございます。私たちは、世界に向けて財政的克己の構えを発信しなければなりません。同時に、悪化した財政状況も立て直さなければなりません。そのためには、2~3の部門で幾つの品目の値上げもやむをえません。」と。曰く、「一般国民に負担をかけないのが政府の最優先事項です。」と。曰く、「電気代の値上げの場合も、300ユニット以下の電力消費者には影響は一切ございません。約75%の消費者がこれに該当します。そのために、2160億ルピーが助成金として計上されており、その額は、前年に比べて500億ルピーの上乗せになります。」と。曰く、「エヘサース・プログラムやベーナジール公的所得扶助プログラムに用意される予算に80億ドルの上乗せとなります。こうしてその予算は倍になります。その目的は、国民を救援物資の支給によって苦境から救うことです。」
別の質問に答えて曰く、「IMFのこのプログラムが最後のプログラムになることを願っています。しかし、この事は、このプログラムがどれくらい首尾よく実行されるかどうかに掛かっています。」と。


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翻訳者:山下善治
記事ID:847