ロシア産⼩⻨の輸⼊
2022年10月28日付 The daily Jang 紙
パキスタンは農業国であり、しかも⼩⻨を生産する国であるにもかかわらず過去4年間、輸⼊によって⾷料不⾜を賄っている。今ラビー作の時期(10~3月)にはパンジャーブ、スィンド、バローチスターンの各州の低地では洪⽔の⽔の滞留により⼩⻨の⽣産が危ぶまれている。そのため、政府の推計によると、パキスタンは今後250万トンの⼩⻨を輸⼊せざるを得なくなりそうである。しかもそうせざるを得なくなりつつあるのがロシア・ウクライナ戦争のあおりを受けてその国際価格が暴騰している状況においてである。更にパキスタンの⼩⻨輸⼊は次の2つの要因のせいでも⾼く付く可能性がある。すなわち、1つは外貨準備⾼が目減りを続けており、それが75億ドルのレベルにまで達していること、もう1つは空前の対ドル・ルピー安であることである。経済の専門家たちによると、⼩⻨とドルの状況が改善されない限り、近い将来、消費者は更なる苦境に陥ることになるという。こうした状況下での政府の取り組みは⼩⻨の輸⼊をバーター(物々交換)で⾏おうというものである。現在パキスタンを訪問しているロシアの通商使節団は、⽔曜⽇にターリク・バシール・チーマ・パキスタン⾷料安全保障担当連邦相と会見した際、双方とも以下の点で意見の一致を見た。すなわち、ロシアはパキスタンの⼩⻨需要を満たす上でその支援が可能であるのに対し、パキスタンは良質な⽶を生産しており、ロシアはパキスタンからの⽶の輸⼊拡大を望んでいると。そして、そのため、ロシアは輸出事業者の数を増やすところである。政府が直⾯している問題の、厳然たる事実に照らせば、これが目下最良の解決策のようである。ただ、恒久的に国内の⾷糧不⾜を解決するためには、農業部門に改革をもたらし、農業従事者の意欲を刺激し、可耕地の生産性向上に励むことが必要である。
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翻訳者:金子ビスマ
記事ID:1080