ファインダー越しの友情 カルスで「カフカースの若者のまなざし」写真展(Radikal紙)
2005年10月08日付 Radikal 紙

カルスで開催された第2回カフカース文化フェスティバルに関連して開かれた「カフカースの若者のまなざし」と題された写真展では、アルメニア、アゼルバイジャン、グルジア、トルコの若者たちが一堂に会した。

エフナン・アトマジャ

カルス発

「アゼルバイジャンじゃ街中で声高にアルメニアに関してものも言えないけど、ここではアルメニア人の若い人たちと一緒になってこのプロジェクトをどうしようかって語り合ってるんだ。」

「私たち若い世代が問題解決の一助となるよう知恵を絞るのは難しいことじゃないけど、年配の人たちの考え方はこの問題に関してはかたくなだし、それを壊すのだって簡単なことじゃない…」

この発言の主は、9月30日-10月2日にカルスで開催された第2回カフカース文化フェスティバルに関連して開かれた「カフカースの若者のまなざし」と題された写真展のために一同したアゼリー人とアルメニア人のとある若者だ。フェスティバルに関連してアナトリア文化センターとカルス県の協力の下で開催された写真展は、カフカースの若者がともに制作に取組み、対話することを目指している。

オズジャン・ユルダランを会長とするプロジェクトが最初に実を結んだ「カフカースの若者のまなざし」展には、アルメニアからカレン・ミナスィアン、ハイク・ビャンジアン、カレン・ミルゾヤン、アゼルバイジャンからメフティ・マメドフ、スィターラ・イブラヒモヴァ、ナナ・ガファロヴァ、グルジアからゲオルゲ・ツィバハシュヴィリ、クルマエヴァ・イリーナ、ニカ・クレプスィ、そしてトルコからシャーハン・ヌフオールの撮影作品が出展された。写真展のために上記各国の写真協会から呼びかけがなされ、一堂に集められた。

ユルダランは語る。「フェスティバル企画の写真部門における最も意義ある仕事は、カフカース諸国に生きる若き写真家たちとともにひとつのものを生み出したことでした。このプロジェクトは単なる写真展にとどまることなく、カフカースの若者たちの間で意思疎通を図り、共通の文化の主たる意志を呼び起こすことを目指しています。そのための最善の策こそ、彼らが共同で参加するプロジェクトを作ることなのです」。出展予定作の若者が選ばれる際には「ボジティブな選別」が行われたともユルダランは付け加えた。そもそも写真に添えられたサインに目をやると大半が女性であることが関心を引く。全ての若き写真家の作品が自らの国と、民衆と、同世代の若者に、つまりカフカースの将来へのまなざしを反映したものなのだが、同時にカルスの人々に対しても極めて強い関心を示している。写真展後に開かれる来年の新たなプロジェクト立ち上げのための「ワークショップ」に参加する写真家のひとりアンナ・ホウショーは、一連の経緯を評して述べる。「カフカースの将来にはもう平和を望んでいます。カフカースとわれわれが言うとき、すぐさま脳裏に浮かぶのは戦争であったり、失業であったりします。ここではわれわれの共有する将来について一致しています。そして、もうそろそろカフカスの人々が平和と有能(のイメージ)とともに認識されるようわれわれは望んでいるのです。この場では相互に協力し共通のプロジェクトを作り上げていますし、第一歩を踏み出したばかりなのです」。

カレン・ミナスィアンもアンナと思いは同じだ。この考えに応じてミナスィアンとユリヤ・ルスヤイェヴァは、アゼルバイジャン-アルメニア戦争直後に両国から逃れた「カチュクン」と呼ばれる人々についての共同プロジェクトを行う予定だ。アンナは、アゼリーの若者へのイスラームの影響についてフィルムに収めようとしている。カレンの最大の興味はカフカスの若者の日常生活と夜遊び。アルメニアから見たアルメニア問題について記者が質問を向けると、カレンは、政治には関心がないから、と言った。

カルスでは、カフカースの若者が机を囲んで写真とこの地域の動静にいかに貢献していくのか延々と語り合った。この議論から来年のテーマが決まった。テーマは「カフカースの平和」だ。



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2005/09/30 「カフカースの民の真髄はカルスに在り 第2回カフカース文化フェスティバル(Radikal紙)」



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( 翻訳者:長岡大輔 )
( 記事ID:1060 )