ドイツ連立政権樹立でメルケルCDU党首が首相に:外相ポストは社民党が確保(Milliyet紙)
2005年10月11日付 Milliyet 紙
ドイツは、「大連立政権」で合意に達した。メルケルが首相となる。シュレーダーが閣内にとどまらない代わりに、社会民主党は内閣の14ポストのうち8つの閣僚ポストを得た。
9月18日に行われた早期総選挙を僅差で制したキリスト教民主同盟(CDU)のアンゲラ・メルケル党首(51)がドイツ初の女性首相となることが確定した。メルケルは3週間にわたって連立政権樹立を模索する中、先日と昨日ゲルハルド・シュレーダー首相(61)が属する社会民主党(SPD)幹部と協議を行った。この協議でメルケルは、シュレーダーが7年間勤めてきた首相の座を譲ること、そしてCDU/CSU(キリスト教民主・社会同盟)とSPDとの大連立政権を、メルケルを首班として樹立することを認めさせた。
■初の旧東ドイツ出身者
だがメルケルは、首班指名の見返りにSPDに対し代償を払った。二党間の合意では、614議席の議会で226議席を占めるCDU/CSUが6つの閣僚ポストを獲得するのに対し、222議席で連立政権内の少数政党であるSPDには8つのポストが与えられる。連立与党の合計議席数は448となる。ドイツ初の女性首相となるアンゲラ・メルケルは、同時に旧東ドイツ出身の初の首相という肩書きも得ることになる。
■外相はSPDに
両党の執行部により承認された連立の合意内容によれば、SPDは外務、財務、労働、法務、保健、交通、環境、開発の閣僚ポストを得る。メルケルのCDU/CSU同盟は、国防、内務、農務、家庭、教育、および経済の閣僚ポストを担当する。新たな経済大臣はCSU(キリスト教社会同盟)のエドムント・シュトイバー党首になることが確実視されている。新議会は、初会合を10月18日に行うことにしている。
専門家によれば、メルケル政権が直面している最も重要な問題は、ドイツの高失業率、経済の停滞と低成長、そしてトルコのEU加盟問題であるという。メルケルは経済を活性化させるため労働市場にいくつかの根本的改革を行いたいとしているが、労働団体が支持するSPDがこれに福祉国家と労働者の権利の均衡をとる形で影響を与えるであろうと言われている。
トルコのEU加盟問題も連立政党の抱える難題だ。SPDはトルコの正式加盟を支持しているが、一方のメルケルはトルコに「特権的パートナー」としての地位が与えられることを支持している。しかし外務大臣ポストが社会民主党に渡れば、トルコの加盟ステイタスの問題が長期間議題から外れることになり、トルコにとって有利な進展であると見られている。
■トルコに冷淡
メルケルは、ベルリンで連立協議について行った会見で、トルコに関する質問に対し次のように語った。
「トルコとの加盟交渉は長い時間がかかるだろう。結果がどうなり得るかについての私たちの見解はご承知のことと思う。ヨーロッパ連合(EU)の新加盟国受け入れ能力についても注意する必要があり、このことが交渉の中で考慮されることは重要だと考える。加盟交渉がどのように進展していくのか見守りたい」。
■地味だが堅実
アンゲラ・メルケル(51)は、ハンブルグで生まれ、牧師である父親の仕事の関係で行ったベルリンの旧東ドイツ地区で育った。そのためドイツ政界のエリートは彼女を「いなか者」と見なしていたが、堅実さや勤勉さ、そして何よりも重要な決断力のお陰で、政界で素早く昇進した。短いとされる15年間の政治生活では、まず国の最も保守的な政党の一つの党首に上りつめた。そして今、ドイツ初の女性首相に就任しようとしている。
決断力ある性格で、彼女はイギリスの元首相マーガレット・サッチャーになぞらえ「ドイツの鉄の女」と呼ばれるようになった。メルケルは、地味な外見で服装に対する執着もないことから見かけは普通のドイツ人女性そのものだが、シュレーダーと議論するためにテレビに出演した際には「イメージメーカー」のアドバイスに従ってかかとの高い靴を履き、髪の毛をセットして登場した。またドイツ国民に最も厳しい政策を提示する時でさえ、アドバイスに従って笑みを絶やさなかった。
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( 翻訳者:倉本 さをり )
( 記事ID:1065 )