トルコでEU加盟に関するアンケート実施:世論はEU加盟をこう受け止めている(Milliyet紙)
2005年10月14日付 Milliyet 紙

トルコ全土で行われた「EU」についてのアンケートの結果、トルコがEUの正式な加盟国になると考えている人(39.6%)は、正式な加盟国にはならないと考えている人(46.9%)よりも少ないことが分かった。

コンセンサス調査がトルコ全土の1002人を対象に行った「EU」についてのアンケートで、興味深い結果が出た。「EUはあなたに何をイメージさせますか」という問いについて、67.3%を占める大多数の人が「文化的多様性」と返答する一方、19.4%は「失業の継続」という選択肢を選んだ。トルコが正式な加盟国となると考えている人の割合(39.6%)は、そうならないだろうと考えている人(46.9%)を凌ぐことはできなかった。共和人民党(CHP)イスタンブル選出国会議員のビュレント・タンラ氏はアンケートの結果を以下のように説明した。

■ばらばらの評価

トルコ国民はEUについて、それぞれ異なった多様な形で認識している。世論はEUを、文化的多様性からトルコの文化的アイデンティティの喪失、失業率の改善から失業の継続、経済的繁栄からキリスト教文化のメンバーになることまで分散した形で評価している。EUの25加盟国全てで行われたユーロバロメーターの調査の結果でも、トルコに関する評価は不十分で現実を正しく映し出していない、多様でばらばらのものであったことが分かっている。
EU-トルコ関係において決定者(政府)がまず注意を払ったのは世論の見方であった。トルコの世論はEUについて正しい情報を十分知らされていない。またEUの世論もトルコについて正しい情報を持ってはいない。EU-トルコ間関係に距離があることは、それぞれの社会がお互いに対立するものとして認識したり、相手にもそうした認識や振舞いをさせていることに起因している。トルコは、国内の世論に向けて(EUについての)情報を提供しつつ、EUの世論にもトルコについての情報を流すことを目的とした長期的なキャンペーンをすぐさま始めなければならない。
こうすることにより、国外を向いた、将来を展望する、それぞれの住民が互いをよりよい形で認識し理解することを助ける環境が作り上げられることになるだろう。EU向けのキャンペーンでは、わが国の文化や歴史、芸術に重点を置くことが有益である。10月3日に始まったEU加盟プロセスにおいてトルコ世論は“期待半分、不安半分”の気持ちの中で揺れている。国民はトルコのEU加盟を望んでいるが、一方ではっきりとした条件を知ることができず、正式加盟の実現に懐疑的な、この歴史的なプロジェクトの詳細、つまり何が起こり何が与えられるのかを知り得ない世論の間に複雑な感情が生まれている。

■認識の相違を克服すること

EUはトルコの世論に、一面では繁栄や雇用、先進性を、またある一面では国や国民の存在とそのアイデンティティや独立性を脅かすものとして認識されている。これほど大きく相反する認識の相違を克服することはそれほど簡単ではないだろう。もしかしたら必要さえないのかもしれない。従ってEU加盟交渉が始まった今、(世論の)こうした態度や不安に気づく事が、平和的な雰囲気の中で調和の取れた社会生活を実現する最初の条件である。

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( 翻訳者:近岡 由紀 )
( 記事ID:1090 )