電力会社の海外進出:電気料金の値上げをしない政府に反発(Milliyet紙)
2005年10月24日付 Milliyet 紙

トルコ全体の電力の16%を供給し、発電能力でも11%を占める天然ガス発電所で損失の増大が顕著になっている。
原料の天然ガスを世界価格で購入しているにも関わらず、提供する電気の料金は2年間据え置かれており実質的に値下げ状態にあると言う電力会社は「コーナーに追い詰められた」と表現する。電力会社は解決には国家への負担金の削減が必要だと考えている。

■解決策は国外に
電力事業の拡大を決めたゾルル・グループは、損失を回避する道を国外に求めている。ゾルル電力のエルハン・チェティノク社長は、ウクライナやモスクワに発電所を建設するとともに、イスラエルでも同じ目的でソルバル電力の株式の26.5%を取得したと述べた。トルコにおける電力市場の行き詰まりについて、チェティノク氏は次のように語った。
「現在赤字が出ているが、他の全ての電力会社も同様の状況だ。そのための解決策を見つけなければならない。我々は事業の場を国外に移さざるを得なかった。トルコは2009年に電力不足に陥ると言われている。しかしどの計画にも投資は見当たらず、民間部門と公共部門のどちらが行うのか明らかになっていない。電気料金の値上げは望んでいないが、国家に納める負担金は膨大な金額になった。これらを適正化しなければならない。」
チェティノクは「資本参加したイスラエル企業とともにトルコで事業を展開するつもりか?」という質問に次のように答えた。
「現在トルコで電力会社が置かれている状況を見れば誰も参入しない。我々自身もどうにかこうにかやっている状態だ。全電力会社が赤字を計上している。外国からの投資を期待しているが、実現は難しいだろう」。

■「対策を講じなければならない」
クルクラーレリに建設された天然ガス循環型発電所で、11月から電力の生産を始めることになったアラルコ・グループも不安を感じている。「状況は厳しい」と語るアラルコ財閥総責任者のアイハン・ヤブルジュ氏は次のように述べた:「こういった政策が続けば、トルコは電力不足の状態になるだろう。そもそも2007年末には電力不足が生じる見込みだ。トルコには2011年~2012年まで電力部門への投資は必要ないという雰囲気が醸成されている」。

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( 翻訳者:坂 泉穂 )
( 記事ID:1147 )