ル・フィガロ紙が見るトルコ「宗教的問題がトルコを再び分裂している」(Hurriyet紙)
2005年10月26日付 Hurriyet 紙

ヴァン百周年大学のユジェル・アシュクン学長の拘留によって起きた一連の出来事は、政教分離が大きく議論されているフランスでも注目された。ル・フィガロ紙は、新学期が始まったトルコの大学で、世俗的な共和主義者と保守的なイスラーム主義政府が対立していると報じ、「こうして宗教問題が再びトルコを分裂させている。」と解説した。

フランスの一流新聞、ル・フィガロ紙は、マリー・ミシェル・マルティネが報じた記事で、ユジェル・アシュクン学長の逮捕によって勃発した出来事を取り上げた。「トルコの大学で宗教的な人々と世俗的な人々が争っている。ヴァン大学ユジェル・アシュクン学長の拘留は、トルコを宗教議論で二分させた。」と記している。

大学で世俗的な共和主義者と保守的イスラーム主義者の政権が対立していることを報じた同紙は、アシュクンの逮捕が大きな結束の動きを生み出したことも記した。同紙は「支持委員会に集まった62名の学長たちは、イスラーム主義的地域の大学事務局一掃企画の通知をすることに躊躇を見せなかった。」という表現を使った。

ル・フィガロ紙は、アシュクンの逮捕が学長達を怒らせていると記し、学長達はアシュクンが「陰謀」の犠牲になったと考えている事や、トルコのメディアでのこの問題の扱いにも注目した。
高等教育機構エルドアン・テズィチ理事長の「アシュクンを保護することは、共和国を守ることと同じだ。」という言葉を報道したニュースなどで、このような騒動が常に教育の領域で起きていることを記しつつ「このように宗教的な問題が再びトルコを分裂させている。」と表現した。

■イマーム・ハティプ学校の論争
ル・フィガロ紙は、昨年イマーム・ハティプのことで生じた論争を取り上げ、「過激なイスラームの芽」であると非難されたイマーム・ハティプ学校卒業者の大学進学への制限を政府が取り払おうとしていること、しかしながら世俗主義者から反対が出たことも報じた。

■セゼルの招待
同紙は、学長達が大統領府での建国記念の祝賀会に招待されたことも示しつつ、「世俗的な共和国の価値を支持するアフメト・ネジュデト・セゼル大統領によって開かれたこの会は、それを見守る多くの人々から見ると、レジェプ・タイイプ・エルドアン政権への否定のようだ。」という見方を示した。

■司法の自立性の問題
ル・フィガロ紙は、トルコを二分する政治的問題になってしまったアシュクン学長の一件は、司法の自立性の問題をも議論に持ち込んだと記し、アンカラがEU加盟交渉を始めたこの時期にトルコにおける司法と政治権力の完全な分離を強化する抜本的な司法改革の時期が来たという、弁護士協会会長オズデミル・オズオクの説明も掲載していた。




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( 翻訳者:池田 慈 )
( 記事ID:1170 )