ロンドンでEU非公式首脳会談:トルコ加盟交渉開始は重要な成果と英国報道官(Milliyet紙)
2005年10月28日付 Milliyet 紙

EU非公式首脳会談で、議長国イギリスに「成果なし」との批判が投げかけられたが、ブレア首相の報道官は「トルコとの交渉を開始したことは小さな成果ではないのか」と自己を擁護した。

EU今期議長国のイギリスは、ロンドン郊外のハンプトンコートパレスで昨日開催された非公式首脳会談で同国に向けられた批判に対しトルコとの件で返答した。
ブレア首相の報道官は「成果なし」という批判に対し「トルコとの加盟交渉が開始されたことは小さな成果ではないのか」と返答した。会議ではエルドアン首相も昼食会でEU首脳陣と顔をそろえた。
欧州憲法の国民投票と予算問題の両面をめぐって起きた緊張が原因で次のステップに進めなくなったEUの批判の矛先はイギリスに向けられた。

加盟国のほとんどから議長国としての活動を「4カ月沈黙したまま」、欧州のメディアにも「成果なし」と評価されたイギリスは、トルコとの加盟交渉開始の成功を過小評価すべきではないと強調する。
首脳会談で記者会見を開いたブレア首相の報道官は「トルコとの交渉開始は進展ではないのか。これは重要な進展である。トルコは単なる議題の一つであるかもしれないが、長年合意を目指して努力してきた議題だ」と述べた。
イギリスは、その日の協議事項が決着していないにもかかわらず、会談終了後に記者会見に出席するという慣習を破って会見を行った。
トルコとクロアチアはブレア首相の招待で昼食会に加わった。トルコからはエルドアン首相が出席した。

■不一致の克服には至らず
危機的状況を乗り越える目的で開かれた首脳会談であったが、25カ国間の意見の相違が埋まるまでには至らなかった。
イギリスが「戦略的視野に基づくサミット」と銘打った会議では、加盟各国の間の意見の違いが今現在の政策に限らず、将来に渡って続いていくことが明確になった。
グローバル化が引き起こす問題に立ち向かうため労働力の国際競争力強化を目的に設置される見通しの基金についても首脳陣の意見は一致しなかった。

■取材メモ:首相は断食を破った
・EUサミットに参加したエルドアン首相は首脳陣との昼食会のために断食を破った。首相は会議の形式のためこの選択をしたことを明らかにした。
・会談の開始時点では、報道関係者が利用するサンダウンパーク前のポールにはトルコとクロアチアの国旗はなかったが、両国首相が昼食会に参加するためハンプトンコートに移動するのに合わせ、国旗が掲げられた。
・新連立政権では入閣せず、「ドイツ首相」としては最後の首脳会談となるシュレーダー氏は遅れて参加した。会談にはシュレーダー現首相の代わりにメルケル次期首相が参加すべきだという意見も多く、注目を集めた。

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( 翻訳者:山口 南 )
( 記事ID:1173 )