クルド人民会議代表:米国は北イラクのPKKを攻撃しないだろう(Milliyet紙)
2005年09月25日付 Milliyet 紙

クルド人民会議(KONGRA-GEL)のツベィル・アイダル代表は、アメリカが北イラクのPKK(=KONGRA-GEL)に対して軍事行動をとるとは考えていないと述べ、「アメリカはクルド人と同盟を結んでいる。中東では21世紀にクルド人も領土を獲得するだろう」と話した。

欧州議会が開いたクルド会議に参加せず、トルコで指名手配されている旧人民労働党(HEP)国会議員でクルド人民会議代表のツベィル・アイダル氏と、本紙はブリュッセルで接触した。PKKに対してアメリカとイラク政府が下した決定や、EUがオジャランやPKKをどう見ているかについて同氏の見解を聞いた。

Milliyet-アメリカはPKKに対する軍事作戦の準備をしていると報道された。イラクのタラバーニー大統領は、「PKKに対して必要な措置を講じる」と述べた。EUはクルド人に「オジャランとPKKとの関係を断ち切れ」と警告した。ベルギーはあなた方の会議を妨害した。これらについてどう考えているのか?

■「この問題を我々が解決する」

Aydar-この種の意志表明はこれまでにもしばしば行われてきた。トルコはこれらに希望を見出さない方がいいだろう。アメリカは私の(PKKの)問題を武力を行使して解決する… これはトルコにとっては楽なことだ。誰も解決できないのに、皆がこの問題に注意を引きつけたがる。これは我々自身の問題であり、腰をすえて一緒に解決しようではないか。アメリカはこの問題をトルコのためには解決しない。

M-しかしアメリカはPKKに対し武力を行使する方針だ言われている。

A-アメリカは中東でクルド人を発見し、同盟を結んでいる。中東でようやく21世紀になってクルド人も領土を獲得するだろう。アメリカの(対クルド)政策は昔はトルコ政府によって形作られてきた。いまやイラクで形成されている。トルコはこの問題をなぜ人任せにするのか。トルコは、クルド問題の脅威を感じているシリアやイランと同盟を結んでいる。この問題に少し距離を置いているようにも見える。しかしトルコは、アメリカやイラクと行動をともにするなら、将来トルコがイラクのようになる可能性もある。

M-つまりトルコのクルド政策はアメリカのものとは異なるということなのか?

A-そうだ。アメリカは(クルド問題に対処する代わりに)トルコに大きな代償を求めるに違いない。そもそもイラクでの任務はアメリカの手に余るものだ。トルコは反クルド政策で双方に害を及ぼすか、領土内のクルド人と和解するかのどちらかだろう。しかし今現在主導権はアメリカの手にある。

M-アメリカはあなた方をどのような切り札として使うのか?

A-アメリカは山の中までやって来てトルコのためにクルド人を攻撃したりしないだろう。そうすることに何の利益もないからだ。トルコへの配慮からごく限られたことはするかもしれないが、それが何であるかは我々には分からない。アメリカは依然我々をテロ集団だと考えているが、今までアメリカに作った借りを返せなかったことはなかった。アメリカの軍事作戦で指導的な立場にある者が殺されたり拘束される可能性はあるが、それを補充できる見通しは立っている。我々はトルコを愛せ、さもなくば後にせよと言っている連中よりもはるかに愛している。

■「昨今の事件は我々の仕業ではない」

M-なぜ1カ月間の停戦を決めたのか?停戦を延長するのか?

A-1カ月前、知識人グループの呼び掛けの後に出されたエルドアン首相の声明は、勇気や希望を与えるものだった。声明は我々の中に、もし軍事攻撃を行わないなら我々の側も攻撃を受けないという空気を生み出した。

M-それはあなた個人としての見解だ。その後イズミルで爆破事件があった。イスタンブルでは2人が爆破に巻き込まれたが?

A-これらは我々の仕業ではない。一般市民への軍事行動は支持していない。我々もトルコのEU加盟と交渉開始に賛成している。

■「1つの国民」は認められない。我々はトルコ人ではない。

M-エルドアン首相は(クルド問題の解決は)「1つの国家、1つの国旗、1つの国民(の範ちゅうで)」と言っている。

A-トルコ共和国の固有の領土を守るということについては我々も賛成する。国家のシンボルにも「はい」と。しかし「1つの国民」は認められない。我々はトルコ人ではないのだから。

M-ジェラル・ドアン、レイラ・ザナとその仲間も「法、領土、国旗は1つ」と言っている。あなた方の見解は?

A-領土の統一、国旗の統一は認める。しかし法の統一が何を意味するのかは理解できない。

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( 翻訳者:栗林 尚美 )
( 記事ID:931 )