カドゥキョイ市ギョズテペ公園をモスクへ:驚きと戸惑いの声(Milliyet紙)
2005年09月22日付 Milliyet 紙

イスタンブル大市役所がギョズテペ公園へのモスク建設を承認したことに対し非難が集中した。市民からは「モスクより緑地のほうが必要だ」との声が聞かれる一方、トプバシュ・イスタンブル市長は、モスク建設の話は昨日知ったと話した。

イスタンブル大市議会がギョズテペ公園にモスクを建設する議決を行ったことに対し、地元では大きな反発が巻き起こった。3キロメートル四方にすでに4つのモスクがあるというカドゥキョイのセラミ・オズチュルク市長は、カドゥキョイのムフティー(法学者)でさえ、モスク建立の要求をしていないと語った。カーディル・トプバシュ・イスタンブル市長は議決の前日になってモスク建設の件を聞かされたと話した。
反発を招いている議会の議決がどのように下されたのかを調査しているカドゥキョイ市役所の担当者は、ギョズテペ在住の市民が公園にモスクを建てるために集めた署名をイスタンブル市役所都市計画局に送り、同局がこの要求の承認を得るため市議会へ提出したことを突き止めた。

議決に対し、ギョズテペの住民らは以下のように反発を示している。
・イェシム・メンデレス:私は45年間公園の向かいに住んでいます。われわれ住民の願いはここが緑地のままであることです。カドゥキョイにある緑地は意図的に撤去されています。ここにはモスクなど必要ないのです。100メートル前方にセラーミチェシュメ、400メートル前方にはガリップパシャ・モスクがありますからね。
・ウルクュ・オカイ:この公園には子供たちのための公園や、大人向けの遊歩道があります。この辺りにはモスクが一杯あります。私は対岸のことは知りませんが、ここにモスクを建てる必要はないと思います。

■唯一息のつける場
・アイラ・アイドゥンドユム:ここの住民は礼拝を個人的にするのでラマザン月以外、モスクはがらがらです。ここにモスクを建てる必要はないと思います。それよりも緑地のほうがずっと必要です。ここは唯一息のつける場なのです。
・ストゥク・ヤザル:市が「モスクを建てます」といいながら人をだますようなことがあってはならない。どんな建物だってモスクとして使うことはできます。あらゆる場所をモスクにすることが可能なのです。それでも足りないというのなら、さらに50カ所のモスクを建てればいいでしょう。でも緑地は保護してもらわなければ。
・ジュリデ・ダマル:緑地をコンクリートで覆ってしまうのは無意味です。ギョズテペ住民から深い恨みをかうことになります。われわれが必要としているのは緑地なのです。周りがみな高層ビルになってしまったら、息が詰まりますよ。
芸術家のムュジダット・ゲゼン氏もこの決定に対し、異を唱えている。「モスクを建てるとなると、あっという間に壁や必要なものを建ててしまうと思います。これには隠された意味があります。なぜなら彼らがそう企んでいるのですから」と語った。

■カドゥキョイは罰を受けているようだ
トルコエンジニア・建築家組合連合会建築局カドゥキョイ支部長サブリ・オルジャン氏はカドゥキョイが罰を受けているようだと語った。「ここではカドゥキョイ住民が受け入れなかった多くの政策が行われました。この地域が他より世俗的で民主的であることを考慮すれば、これは住民の反発と怒りを招くためだけに行われた政治的計画なのです」と述べた。
都市計画家組合イスタンブル支部理事のアリ・ルザー・ヌルハン氏は「住民のこのような反発があるにせよ、今ある緑地をモスクの建設用地に選ぶことは賢い方法とは言えないでしょう。なぜなら、この地区に緑地は少ないからです。新たな緑地が必要な一方で、今ある緑地にモスクを建てようとするのは全く正しい判断ではない。われわれは必要とあらば、このプロジェクトのために訴訟も辞しません」と述べた。

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( 翻訳者:塚田 真裕 )
( 記事ID:914 )