トルコEU加盟交渉、オーストリアが障壁に(Milliyet紙)
2005年09月30日付 Milliyet 紙
10月3日を前にトルコ政府が「恐れていた事態が起こっている」。
EU加盟プロセスの道筋と方法を示す交渉枠組みの承認は、オーストリアが難色を示したため期日ぎりぎりまで持ち越された。
文書に(完全加盟以外の)特別な協力関係という文言を入れるよう求めているオーストリア政府は、昨日枠組みを承認しない唯一の国となったにも関わらず、EU常任代表者委員会(COREPER)を妨害した。“トルコ問題”は、10月2日にルクセンブルグで開かれる臨時の外相会議で解決に向けた話し合いが行われ、加盟プロセスの公式の承認は10月3日に決定される。
「特権付きパートナーシップ」という表現でなくとも、少なくともこれを思い起こさせる「完全加盟に匹敵する建設的な選択肢」を本文に入れることを提案したオーストリアは、委員会で自説を曲げなかった。今期のEU議長国であるイギリスは、トルコの加盟交渉開始の決定が完全加盟を前提としたものであったことを改めて確認するとともに、加盟各国の首脳全員が承認しない限り変更は不可能だということをオーストリアに伝えた。
イギリスのこうした見解を他国も完全に支持した。24カ国が交渉枠組みを現在の形で承認する準備をしていたにも関わらずオーストリアが主張を取り下げなければ、10月2日に臨時外相会議を開いてこの件について討議することが決まった。各国外相は日曜日に話し合いを行い、最終決定を下す。公式な承認は10月3日に出される。
■切り札はクロアチア
オーストリアが文書を最終局面まで承認しない背景には、クロアチア(のEU加盟)に関してEUがどのような態度を取るか確かめたいという思惑がある。EUはクロアチアに対する態度を、国際刑事裁判所(Uluslararası Savaş Suçları Mahkemesi)のカール・デル・ポンテ主任検察官が提出し、クロアチアの裁判所との共同作業によりその程度が明らかになる報告書に照らし合わせて表明するつもりだ。オーストリアは、トルコと交渉を始める一方でクロアチアを“待合室”で待たせることは「ダブル・スタンダード」だと主張している。EUの情報筋は、クロアチアの加盟についてEUが態度を明らかにした場合、オーストリアがトルコに対する「特権付きパートナーシップ」の主張を取り下げる可能性が高まるだろうと述べた。
■直前に生じた困難
交渉枠組み(の承認)が交渉開始の直前まで残った唯一の候補国であるトルコは、初めから文書が一刻も早く承認される必要があると主張し、この文脈でイギリスに何度も意志を伝えていた。EU高官は、計画で「数時間先送りになることを覚悟しなければならない」と述べている。加盟交渉をスタートさせる政府会議は、10月3日午後に開始される見込みだ。
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( 翻訳者:坂 泉穂 )
( 記事ID:972 )