ハッキャーリの爆発事件は謎だらけ:容疑者3人は憲兵とわかり解放(Radikal紙)
2005年11月11日付 Radikal 紙
ハッキャーリ県シェムディンリ郡で一昨日の爆発事件の後、3人の男が実行犯として市民らによってリンチされかけ、警察に引き渡された。この3人は、軍警察諜報組織(JIT)の私服諜報員であることが判明した。この諜報員達は検事の尋問に対して「現場をたまたま通りかかっていただけだ。」と証言したという。ハッキャーリ県エルドアン・ギュルブズ知事によると1名が拘留され、4名が事情聴取されたと述べた。参謀本部は事件を全面的に司法機関に一任し、必要な法的プロセスがふまれている最中であると述べた。
また、レジェプ・タッイプ・エルドアン首相は昨日、ハッキャーリ県選出の公正発展党議員を招集し、進展について情報を得た。また、現地入りし報告書を作成するように要請した。
シェムディンリ郡にあるウムト書店爆破の後、市民によって実行犯とされリンチされかけたものの警察によって助けられた3人の男は、軍警察諜報組織に属する私服諜報員であることが判明した。3人はそれぞれ将校、下士官、専門軍曹で、尋問を行った検事に対して「現場をたまたま通りかかっただけだ。」と証言し、この証言によって3人は解放されたことが分かった。また爆破実行犯が使用したとみられ市民の手により警察に引き渡された白のルノー19の乗用車も、市民がリンチしようとした3人の自動車であることが判明した。
■乗用車は軍警察が調査する
問題となっている乗用車のトランクにあった3丁のカラシニコフ、軍事用品および襲撃された書店から集められた物証は、ヴァン県にある軍警察の犯罪科学研究所で調査されることになった。車を調査していた検事と警官に向けた発砲については、軍警察諜報組織の下士官の車からであったとの申立てがあった。そのため、ナンバープレートが42から始まるが、その次のアルファベットと最後の数字は不明のドアン社製自動車の所有者を割り出すための調査が始まった。
また、シェムディンリの自動車で見つかったとされる軍人の身分証明書一枚が昨日、報道機関に届けられた。身分証明書は、爆破実行犯達が利用したとされる「30 AK 933」ナンバーの乗用車を検事が調査する前に、周辺にいた者達が発見したとの申立てがあった。その身分証明書は、ハッキャーリ軍警察司令部の下士官兼軍曹長アリ・カヤのもので、同人に向けた「シェムディンリで任務につけ。」という命令書面があるという申立てもなされた。
■県知事:拘置者の数は増加する可能性あり
ハッキャーリ県エルドアン・ギュルビュズ知事は一昨日起きた事件について、CNN トルコの生放送番組のなかで質問に電話で答えた。「保安組織がこのような事件に関係するなんて不可能だ。そんなことはありえないでしょう。」と述べた。同知事は、一名が現在拘留されていると言い、拘留者数は増える可能性があることを明らかにした。また、捜査のなかで容疑者として4名に対して事情聴取が行われたと述べた。
さらにギュルビュズ知事は、検事が事件捜査に着手していること、15-20人が目撃者として事情聴取されたことを明らかにし、捜査守秘義務の点から現時点では拘束者の身元を公表できないと述べた。また同知事は「目撃したことや知っていることがある人は、ジャナン国会議員も含め、出頭して証言してください。」と発言した。また申立て内容の調査のため、内務省から警察官と文官主任調査官が現地入りする予定と述べた。
参謀本部は事件を全面的に司法機関に一任し、必要な法的プロセスがふまれている最中であると述べた。参謀本部事務局からは次のような発表があった。「この悲惨な事件に一部の軍関係者が関わっている可能性が主張されている。問題の事件は全面的に司法機関に一任され、必要な法的プロセスがふまれている最中である。尋問中は守秘義務があるため、進展についての公表は法的機関の承認のもと行われることになるだろう。」と述べた。
■国家諜報機構(MİT)事務次官、首相府へ
エルドアン首相は、ハッキャーリ県選出の公正発展党(AKP)議員、ムスタファ・ゼイダン氏とフェフミ・オズトゥンチ氏を党本部に召集し、事件について情報を得た。首相は、議員達に速やかに現地へ赴くよう要請すると同時に、爆発事件発生直後に現地入りしなかったことを叱責した。また国家諜報機構エムレ・タネル事務次官も昨日夕方首相府を訪ね、エルドアン首相と約1時間会談した。タネル局長はエルドアン首相にシェムディンリの事件についての情報を提供したという。
一方で、大国民議会、共和人民党(CHP)、祖国党(ANAP)からの調査団も、シェムディンリへ赴いた。
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( 翻訳者:山口 南 )
( 記事ID:1269 )