2005年11月12日付ハムシャフリー紙
石油省の執行部及び閣僚ポストは、〔8月に信任を得られなかった閣僚4ポストのうち3閣僚が〕先週新政府の閣僚として発表される中、またしても決定が見送られた。こうして、大統領は再び、新たな人物を石油省という非常に重要な省庁の舵取り役として国会に推薦することとなった。
実際、新政権の発足から3ヶ月が経過した今、執行部を決定できずにいるのは、国の全省庁の中で石油省だけとなった。このような状況は、政府と国会の関係を考えた場合、自然なことであると見る向きもあろう。しかし、イラン経済における石油省の重要性に鑑み、このことがイランの石油や天然ガス、そして石油化学の各産業の将来に与える損失についても考慮する必要がある。
現在、国内の天然ガスや石油に関する数多くの開発計画は、政府が同分野でのマクロ政策を明確化できず、また石油省も自らの政策を決定できていないために、保留されたままとなっている。この保留状態は、イランの石油産業に財政的な損失を与えるだけでなく、原油・天然ガスの世界市場におけるイランの競争力を損なう結果となっている。
現在のところ、石油・天然ガス部門への投資を考えている国内外の多くの企業は、石油省の上層部がどのような陣容となるのか、決定を見守っている状態である。というのも、これらの企業は石油省の今後の政策如何によって、検討中の開発計画に参加すべきか否か、参加するならばどの程度参加するかを決定するからである。
明らかなことは、〔新たな石油相が決まるのを〕いつまでも待てるわけではないということだ。石油省の執行部が決定されない状態が続けば、イランの石油・天然ガスの開発の流れが途切れる、〔国内外の企業から〕新たな協力を取り付けるためのコストが新たに生ずる、などの結果を招来することとなろう。
いずれにせよ、原油市場が不安定で、産油国間の協力関係が必要であるという状況において、世界の原油市場やOPECにおけるイランの地歩を強化するためにも、また石油と天然ガスの開発計画をできるだけ早く始動させるためにも、政府と国会は、石油省の上級執行部を、できるだけ早く決定すべきである。これは、新政権が優先的に取り組むべき問題であろう。
国内のガソリン価格や、諸策を通じたガソリン消費量の削減努力といった問題に対処するためにも、石油相を可及的速やかに決める必要があることは明らかである。政府と国会の協力関係は今後、国の持続的成長における石油資源の最適利用のためにも、より現実的かつ効率的なものとなることが期待される。
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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:1303 )