新石油相候補、発表される シャルグ紙
2005年11月16日付 Sharq 紙

2005年11月16日付シャルグ紙1面

【政治部:イーラジ・ジャムシーディー】マフムード・アフマディーネジャード大統領は国会議長ヘ宛てた書簡の中で、セイエド・モフセン・タサッロティー氏を石油相候補として、国会の信任投票に諮る意向を伝えた。

 ゴラーム=アリー・ハッダード=アーデル国会議長は昨日、国会の公開審議終了前に、大統領の書簡を壇上にて読み上げ、来週大統領から推薦のあった石油相候補の信任に関して検討すると発表した。〔中略〕

 大統領の書簡が国会議長により読み上げられた後、国会の公開審議は終了した。国会の本会議場から退出した国会議員らの多くは、大統領の書簡に対し、驚いた表情を見せ、一部国会議員らは口々に「全く驚きだ」などの声を上げた。

 アーバードギャラーン連合のメンバーで、過去二名の石油相候補に対して反対の意思を表明してきた一部議員らは、今回の石油相候補に対しても反対する姿勢を見せている。彼らが今回反対している理由は、つまるところ同候補の政治的経歴に行き着く。同候補は大統領と親密な関係を有しているとはいえ、「石油マフィア」に対して闘う姿勢が見られない、というのである。彼らの派閥に近いウェブ・サイトなどでは、すぐさま同候補が二重国籍保有者であるとする論評が書き込まれており、この問題は国会と政府の関係に新たな火種となる可能性をはらんでいる。

 昨日午後に開かれた国会エネルギー委員会の会議でも、アーバードギャラーン連合の国会議員らは同様の疑問を石油相候補に対して提起していた。国会エネルギー委員会のキャマール・ダーネシュヤール委員長や国会議長団の一員であるハミード・レザー・ハージー=バーバーイー議員らも、大統領は新石油相候補を発表するにあたり、国会に何ら根回しを行ってこなかったと述べている。

 ハメダーン選出のハージー=バーバーイー議員は、このことについて、「遅くとも来週の水曜日までには、国会にて信任投票が行われるだろう」と述べ、さらに「大統領も国会に出席し、タサッロティー氏をなぜ石油相候補として選んだのか、弁論することになるだろう」と述べた。同議員はまた、「他の議員らと同様に、私もタサッロティー氏のことを全く知らない。彼が石油相候補となったことを、今聞いたばかりである」とし、さらに「同石油相候補に対して国会が信任を与えるかどうかは、全く不明だ。というのも、誰も彼のことを知らないからだ。彼が今後国会に対してどのような応答を示すのか、その結果を見守るほかない」と付け加えた。

 キャマール・ダーネシュヤール国会エネルギー委員会委員長も「タサッロティー氏が候補として発表されたことは、アフマディーネジャード大統領によるもう一つのサプライズ人事である」とした上で、「この人事に関しては、エネルギー委員会はおろか、総じて国会に対して、何の相談もなかった。タサッロティー氏が新たな石油相候補であるとつい数時間前に聞いたばかりである」と述べた。マーフシャフル選出の同議員は、新石油相候補が選ばれたことについてどれだけ情報を得ているかについて、「彼のことは何も知らない。彼のことで知っているのは、ただ彼が「タサッロティー技師」と呼ばれているということだけだ。彼のファースト・ネームすら知らなかったくらいだ」と指摘し、続けて「彼は建築学で修士号をもっており、バンダル・マーフシャフルの石油化学フリー・ゾーンの責任者を数年務めていた」と述べた。

 タサッロティー氏は、アフマディーネジャード大統領が推薦した三番目の石油相候補。同氏の前に、アリー・サイードルー氏とサーデグ・マフスーリー氏が候補として国会に示されたが、サイードルー氏は国会から信任票を得ることができず、マフスーリー氏は国会の信任投票が行われる数時間前に、候補を辞退している。このように、石油相をめぐる議論は、政府と国会の最も重大な問題の一つとなっている。アフマディーネジャード大統領は、選挙戦において、石油によって得られた利益を国民に分配するとの約束を掲げ、同時にイランの石油業界を牛耳る「石油マフィア」の存在について言及していた。

 国会はこれまで、アフマディーネジャード大統領が推した二名の石油相候補に対して、経験がなく専門知識に欠けることを理由に、反対の意を示してきた。今回アフマディーネジャード大統領は、石油業界で責任ある地位を経験してきた人物を石油相候補に推薦したわけだが、同大統領のこの選択がいかなる結果へと帰結するのか、今のところ不透明である。というのも、国会議員らは口々に、同氏については何の情報もなく、大統領は国会に対して十分根回しをしてこなかったと不満の声を上げているからである。

〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:1306 )