黒海西部で石油掘削プラットフォームが沈没、環境汚染の恐れも:情報公開の遅れに反発の声(Milliyet紙)
2005年11月17日付 Milliyet 紙
黒海西部に建設され、トルコの石油供給の希望である3機の石油掘削プラットフォームが沈没したことが明らかになった。事件の隠蔽に対する反発の声も出ている。
トルコ石油株式会社(TPAO)は“マディソン・オイル社共同天然ガス発掘プロジェクト”という名目で黒海西部に建設され、トルコの石油供給の希望となるアヤズル1号機、アヤズル2号機、アッカヤ油田の3機の石油掘削プラットフォームが破損し黒海に沈没したことが明らかになった。この事件はTPAOの幹部が、共和人民党(CHP)アダナ選出議員タジダル・セイハンに説明したことで明らかになった。エルドアン首相の返答を求めてエネルギー天然資源省の長官ヒルミ・ギュレルに質問の議案書を提出したセイハンは本紙に次のように話した。
「トルコの希望はすべて沈んでしまった。ここでは天然ガスを多く含んだ石油が見つかった。TPAOはその後掘削の費用を払い、プロジェクトのパートナーとなった。しかしTPAOの関係筋が伝えた情報によると、基地は施工ミスのために沈没した。これはスキャンダルだ。わが国において議題から外されてきたのは重大な罪だ。」
■政府にも報告されず
セイハン議員は石油掘削プラットフォーム沈没の結果生じる汚染がとても深刻な環境破壊の原因となることも指摘し、「ガスが流出する可能性がある。原因が分からないまま死者が出るのは避けねばならない」と言った。セイハンは更に、エネルギー天然資源省がこの件を伝えてこなかったという環境森林省関係筋の言に触れ、「TPAOも海底で何が起こったのか分かっていない。石油やガスの流出があるか調べる必要がある」と述べた。
また、海底から漏れるガスを含んだ石油は暖まると空気と混ざり合い、空気中の重力をかなり減らす可能性があるというTPAOの専門家の話を紹介して、「黒海西部がバミューダ海域のような魔のトライアングルになってしまうのは避けるべき」と述べた。
■会社はこのプロジェクトから脱退したのか?
セイハン議員の質問書の内容は次の通り。「プラットフォーム沈没後マディソン・オイル社がプラットフォームとトルコから撤退したという情報は正しいのか? 損失はどれだけか? 保険が効くのはプラットフォームだけだから、掘削ドリルの損失を保険会社が補えないと、掘削ドリルの破損から生じた損害はどれ程と見積もっているのだろう? 新しい掘削ドリルとプラットフォームを建設するとしても、完成までは石油掘削ができないことから生じる損害はどのくらいに見積もられるのか?」
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( 翻訳者:住永 千裕 )
( 記事ID:1315 )