イラン経済は、国会の勇気ある決断を待っている
2005年11月15日付 Hamshahri 紙

【経済部】イラン国会は、ガソリンの輸入に2兆5000億トマーン〔日本円で約3000億円〕の外貨預金を用いる内容の法案をめぐって、今日も議論と検討を続ける予定である。

 今年度の上半期のガソリン消費量は、昨年の同時期に比べて、11.1%も増加している。これを一日の平均消費量でみると、1383年〔西暦2004/05年度〕の上半期では6096万1千リットルであったのに対し、今年は6745万4千リットルに増加している。ガソリン消費量が増加し、その度に外貨預金が無秩序に引き出されてきたために、ガソリンの供給と消費に関する根本的な対策は、これまで全く勘案されてこなかった。このことから、一部の国会議員らは、ガソリンの輸入に外貨預金を用いることに対し、異議を唱えてきた。

 今日国会は、ガソリン輸入のための外貨預金活用に関する法案の総則に関して、決定を下す予定である。他方、一部の経済専門家や関係者からは、イラン経済にとって大胆かつ重要な決定を求める声が上がっている。

 ■タヴァッコリー議員:ガソリンの輸入はやむをえない

 テヘラン選出のアフマド・タヴァッコリー議員は、ガソリンの輸入に外貨預金を用いることは、現状では不可欠な対応であるとみている。と同時に同議員は、石油精製技術の観点から精油施設の改善を図るなど、過去数年間にわたり予算編成において政府が果たすべき課題が多岐にわたって存在してきたにもかかわらず、政府はいかなる措置も講じてこなかったと批判する。

 国会の政策研究所の所長を務める同議員は、精油施設の新設は不経済であるとし、ガソリン輸入に頼ってきた政府の過去の政策を批判して、「もし精油施設の拡張が検討の対象とされたならば、精油施設の年間ガソリン生産量は、最大で現在の1.5倍に増加したであろう」と付け加えた。

 同議員はさらに次のように述べた。「第7議会は昨年、液化天然ガスの精製施設の建設を可決したが、今年度半期においてこの法律が実行される気配は全く見受けられなかった。サウスパールスの液化天然ガスは、90%以上のエネルギー効率を有し、製品化の点でも原油より優れている。また、〔すでに可決されている〕法律の中で建設が予定されていた3基の精油施設は、日量36万バレルの精製能力があり、3200万リットルのガソリンと、2500万リットルのその他の石油精製品の生産が可能である。つまり、現在生じている消費超過分を補うことも可能なのである」。

 同議員は加えて、「無能さゆえに生じた法の不履行は、過去数年の間に、150億ドルに及ぶガソリンを輸入するという結果を招いた。その輸入総額の3分の1の費用があれば、既存のすべての精油施設を改善できた上、その精油施設で生産されたガソリンを輸出することも可能だったはずだ」と述べた。

(後略)

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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:1316 )