「以前から苦情あった」:虐待スキャンダルに揺れる養護施設の管轄局長が告白(Milliyet紙)
2005年10月31日付 Milliyet 紙

養護施設での虐待スキャンダルを受けてマラトゥヤ県社会福祉局長の職を解かれたヤクプ・ギュレル氏は、「友人である公正発展党(AKP)議員2名に強要され、この職についた。こういうことが起こるだろうと思っていた。」と述べた。同氏は、苦情はなかったと言った県知事の発言を否定したことになる。

ギュレル氏は、18ヶ月の任期期間以前に、複数の苦情が寄せられていたことを説明し、3年間マラトゥヤ県知事を務めたオスマン・デルヤ・カドゥオール氏が、その間全く苦情は受けなかったと述べたことは偽りだとした。
ギュレル氏はマラトゥヤ県のローカルテレビでの議論に電話で参加し、次のように語った。

■国会議員からの提案には最後まで抵抗した
 公正発展党(AKP)のアリ・オスマン・バシュクルト議員と知り合いであることは事実です。また別の国会議員ミュニル・エルカル氏も私の学友です。しかし私の着任は決して自らの希望ではありません。前局長が職を解かれたとき、私にオファーがきたのです。長い間、私は本当に強くそのオファーに抵抗したのです。

■2つの死亡事件
 国会議員達が前局長を解雇した時、私にこの職を提案してきたのです。私はうまく成し遂げられないと考えて提案を断っていたのではありません。なぜ彼らは私にその職を提案してきたのでしょうか?男子寮で二つの死亡事件があったからなのです。これらはトルコの世論に知られることはありませんでしたし、メディアにもとりあげられませんでした。社会福祉局が抱えているものはとても重大な苦悩です。3ヵ月後には他県でも起こりうることです。

■頭痛と縁の無かった頭を痛ませるような状況に
 教師を続けていたならば、管理責任という点でより気楽にいられたことでしょう。前任者たちに寄せられた苦情を目の当たりにしていました。我々にも起こりうることだったため、頭痛と縁の無い頭に、突然、頭痛の種をつくらないようにと心配でした。

■教会をモデルにとの提案
国は養護施設を赤新月社(赤十字)やNGO(非政府組織)のように、西欧にあるタイプに変えていくべきです。西欧では養護施設を教会が運営することが多く、助成金が支給されています。トルコでも同様に行うことができるでしょう。しかし国家予算を受ける民間組織は、公的組織と協働することが必要です。社会福祉局は、(地域を統括する)ステーションとなるべきでしょう。子供たちは長くても1年で退所すべきです。


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( 翻訳者:坂泉穂 )
( 記事ID:1205 )