東部・南東部を中心に1249校が休校状態(Milliyet紙)
2005年11月21日付 Milliyet 紙

東部・南東部アナトリアにある9県では1249校が休校状態である。主に都市への移住や生徒数不足のためであるが、いくつかの学校では教員の赴任拒否のため開校できずにいる。

東部・南東部アナトリアの9県(スィヴァス、ギュムシュハーネ、バイブルト、トゥンジェリ、ビトゥリス、カルス、エラズー、ウードゥル、ムシュ)で1249校が休校になっている。放置されたこれらの学校には生徒も教員もいない。最も休校数が多い県はスィヴァスで、725校を数える。ビトゥリスでは40校で、任命された教員が赴任拒否したために開校することができなかった。

失業、貧困、治安への不安を理由に住民が都会へ移住したため、これらの県では生徒数が減少した。村落に残った生徒数が片手で数えられるほどになると、学校のチャイムも鳴らなくなり、休校となった。
生徒数の少ない村落では、少数の生徒のために教員をあてがうことができない。そのためこれらの生徒たちは全寮制の地域小学校(YİBO)、ペンション付の小学校(PİYO)、または送迎制度によって周辺の学校に送り込まれるようになってきた。この現象には表裏一体の問題がもうひとつある。それはイスタンブルのような大都市で移住者増加により教室あたりの生徒数が増えたことで教育の質が落ちていることだ。

■最低記録はスィヴァス
休校のある県のうちスィヴァスが最悪である。スィヴァス県教育委員会のアフメト・ヨルヂュ会長によると、県内で725校が休校になっている。ディヴリー郡では106の村のうち103の村で学校が休校状態で、3校のみしか授業を続けていない。ヨルヂュ会長はこう述べた。「残った生徒達は送迎制度を使って一番近い学校に送り込むか、全寮制や寄宿制の学校に住まわせて教育を続けている。」

■生徒不在の学校
・ギュムシュハーネ県: 生徒数不足のため県中心部周辺の村落では96校、ケルキトで32校、シランで55校、トルルで55校、キュルテュンで27校、キョセで1校、合計266校が休校となったままだ。
・バイブルト県: 80校が休校。生徒数10人以下の学校では授業ができないでいる。37校の小学校では第2段階(6-8年生)は、送迎制度を使って勉強を続けている。
・トゥンヂェリ県: 過疎と生徒数不足のため、県の中心部周辺の郡で32校、ナズィミイェで10校、オヴァヂュクで21校、ピュルミュルで17校、計80校が休校。
・ビトゥリス県: 42校が休校。教員が赴任命令を受けたにもかかわらず勤務を始めなかったため、40校が休校状態。このほか2校が生徒数不足のため休校。
・カルス県: 44校が休校。在学中の4-5人の生徒のために教員を割り当てられないために休校とされた。子供たちは近くの学校に移った。
・エラズー県: 9校が休校。このうち1校は校舎が傷んでいるため、8校は生徒数不足のため休校に。アラヂャカヤで2校、バスキルで2校、カラコチャンで2校、コヴァンヂュラル、マデン、エラズー・キョルペで各1校が休校に。
・ウードゥル県: トゥズルヂャ郡のオルタブヂャク村とユヂェオタク村の学校で生徒数不足で休校。生徒は送迎制度により勉強を続けている。
・ムシュ県: 1校で授業が行えない状態。カヤルデレ小学校の12人の生徒は全寮制小学校に通っている。

■文部省のコメント
文部省関係者は、休校中の学校が3年間で3000校再開されたことを述べた上で、次のように現状評価を行った。「我々は、最低15人の生徒がいる学校を再開した。このような小学校では、第1段階(1-5年生)の子供たちが一緒の教室で勉強を続けている。その一方で、現在、トルコ全国で5400箇所の村落・部落で子供たちを別の町の学校に移している。具体的には生徒数15人以下の学校では(最も近い小学校へ)送迎を行う、ないしは全寮制やペンション付の小学校へと送り込んでいる。」


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( 翻訳者:堀ノ内 夏子 )
( 記事ID:1352 )