バーギー氏、フランス人権賞を受賞 シャルグ紙
2005年11月22日付 Sharq 紙

2005年11月22日付シャルグ紙1面
【シャルグ】エマードッディーン・バーギー氏と「受刑者の人権を守る会」が、フランス人権国民賞を受賞した。

 この賞は、フランス人権国民委員会という市民団体によって与えられたもので、バーギー氏の思想的、実践的領域での活動が評価の対象となった。バーギー氏は「受刑者の人権を守る会」の会長を務めており、これまで人権に関する数々の著作・論文を著している。

 フランス人権国民委員会は発表の中で、エマードッディーン・バーギー氏が様々な論文や活動において、シャリーアからインスピレーションを得、人権概念がシャリーアと矛盾しないことを示そうと努力していることを強調している。このような評価が、何よりも政教分離を国是としているフランスのような国の国民から示されたことは、宗教を守ろうとする人間の努力が非宗教的な国においても関心を惹く問題となっていることを示すものだと、専門家らは指摘している。

 エマードッディーン・バーギー氏は、かつて1383年〔西暦2004年〕にも、著作家や人権活動家、ノーベル賞受賞者らによってニューヨークに設立されたパーキンソン財団により、「市民勇敢賞」を受賞している。同賞は、非党派的な独立した人権活動家であることを、受賞者選定の基準としている。

 フランス人権国民賞を受賞したことに関し、バーギー氏は次のように語っている。「この受賞によって、私と『受刑者の人権を守る会』の責任は一層重たいものとなった。その一方でそれは、私の活動スタイルが、人権に関する国際社会の考え方に受け入れられたことをも示している。イランは自らの内的な発意と努力、能力によって進歩を遂げることが可能なのだということを、われわれは示す必要がある。イランには、それにふさわしい人権団体・活動家が多く存在している。この受賞は、実際にはこれらすべての人権団体・活動家、中でも『受刑者の人権を守る会』で私を支援してくれている様々な友人や協力者たちに対する評価に他ならないと、私は考えている」。

 エマードッディーン・バーギー氏は、数年前より、他の社会活動家らとともに、『受刑者の人権を守る会』という名の非政治的な非政府組織を立ち上げていた。同協会の立場上の難しさ、そしてバーギー氏自身がかつて政治犯受刑者であったという経歴から、このような協会が現在の危うい政治状況下で活動を続けることはいかにして可能なのか、驚く人も中にはいる。また、バーギー氏の活動方法がいかなるものなのか、疑問に思う人がいることも事実だ。これに対して、バーギー氏自身、次のように語っている。

 「イランの人権状況の改善を目指す活動において私が用いている手法とは、政治的な手法、体制に敵対するような手法ではなく、体制や関係機関との相互関係、対話を旨としたものである。われわれは、人権状況の改善を実現させるためには、社会や体制の中に現に存在するあらゆる可能性を利用する必要がある。このような活動に対して抵抗する人々の多くが、人権の敵であるとは、必ずしも限らない。実際に信仰深い人で、人間としての良心をもち、倫理的な人間であるような人が、「人間の尊厳」に敵意をもつこともあり得る。「人権」に対して抱いている政治的なイメージが原因で、「人権」に疑念をもっている人もいるのである。そのような人々は、人権活動が反体制活動のための口実となっていると考えているのだ。人権団体や活動家らが権力の監視役としての役割を担っているということを、われわれは示す必要がある。彼らは〔体制と国民の間の〕調停者であり、対話や教育、文化活動を通じて、体制や社会に対して人権を守るよう促したいと考えている。人権の遵守は、市民にとって良いばかりか、体制自身にとっても有益であるということを、理解してもらうよう努める必要がある。‥‥」

〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:1367 )