マトサキス欧州議会議員の挑発行為:ギリシャ系キプロス政府は冷ややかな態度(Milliyet紙)
2005年11月02日付 Milliyet 紙
キプロス共和国タソス・パパドプロス大統領が党首を務める民主党の党員であり、欧州議員であるマリオス・マトサキス氏は、昨日朝レフコシャ(ニコシア)にある停戦ラインを越え、アクンジュラル-キラジキョイ道路に建設中のトルコ軍監視小屋にある旗竿からトルコ国旗を奪い、南キプロスへ持ち帰った。
■「私が死ぬことはたいしたことではない。」
マトサキス氏は、1996年にキプロス島のギリシャ人2名が死亡した国境侵犯事件の首謀者である。同氏は、トルコによるキプロス「占領」にEUの注目を集めるため、今日、奪い取ったトルコ国旗を欧州議会へ送付すると述べ、ミッリイェト紙に次のようにコメントした。「アクンジュラルではトルコ占領軍が新たな動きをみせている。島の全土はEUに加盟している。北部でトルコは何をしているのか?私は欧州議会議員であり、この島全土を自由に歩き回りたい。しかし、トルコ兵が妨害するのだ。こうした状況に抗議するために、またEUの注目をキプロスに集めるためにトルコ国旗を取った。」
マトサキス氏は、監視小屋にトルコ兵がいなかったと述べ、こう続けた。「トルコ兵がいたとしても、国旗を降ろすために旗竿に登るつもりだった。私が死ぬことなどたいした問題ではない。問題なのはトルコ(軍)がこの島に違法にとどまっていることだ。あそこにまたトルコ国旗が立てられるようであれば、また引き降ろしに行く。」
■個人的な行動
ギリシャ系キプロス政府はマトキサス氏の行動を支持せず、事件を個人的な行動によるものとした。政府報道官、キプロス・フリソストミデス氏は「マトキサスは自分勝手な行動をする人物であり、(今回の事件は)彼個人がやったことだ。我々は個人的な行動を支持しない。」と述べた。
■密輸と恐喝
マトキサス氏は欧州議会で演説したトニー・ブレア英国首相に抗議し、ヨルゴ・ヤコヴ北キプロス外相の激しい反発を受けたことがある。また、マトキサス氏は以前、キプロスにおけるイギリス軍基地に対する反対活動を行ったことがある。欧州議会議員に選出後には、古美術品の密輸と恐喝の容疑で捜査され、議員特権が廃止されてからは3度の家宅捜索を受けてきた。
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( 翻訳者:塚田 真裕 )
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