アミード=ザンジャーニー師のテヘラン大学学長任命に学生らが反発 シャルグ紙
2005年11月29日付 Sharq 紙

2005年11月29日付シャルグ紙26面

 日曜日の正午、テヘラン大学の新旧学長の離任及び就任式が、同大学の学生らによる抗議の中、執り行われた。

 離任及び就任式は、セイエド・ジャアファル・シャヒーディー博士の演説とともに、中央図書館アッラーメ・アミーニー講堂にて始められ、法政治学部イスラーム協会書記が殴打されるという事件によって、幕が下ろされた。

 先週の金曜日、レザー・ファラジー=ダーナー博士に替わり、アーヤトッラー・アミード=ザンジャーニーがテヘラン大学学長に任命されたとのニュースが発表された。そしてこの発表の二日後、急ぎ足で離任・就任式が執り行われた。式典の中で演説したファラジー=ダーナー前学長は、同式典がこれほどまでに大急ぎで執り行われたことに、驚きの声を上げた。また、新学長就任の辞令は、同式典の中で科学研究技術相より直接、アミード=ザンジャーニー師に手渡された。

 〔中略〕

 しかし、式典は順調に終わったとはいえないものであった。アミード=ザンジャーニー師はテヘラン大学学長として30人目に当たるが、宗教指導者が同大学の学長に就任するのは、同師が初めてである。同師の学長任命が発表された当日よりすでに、テヘラン大学の学生や学術委員会委員らから、同任命を批判する声が聞かれ始めた。批判は主に、新学長が宗教指導者であること、同師が特殊な政治団体に加入していること、そして何よりも「選出」ではなく「任命」によって新学長が決定されたことに関連するものであった。

 学生らは日曜日、アミード=ザンジャーニー師就任式典が行われているまさにその時に、科学技術相も同式典に出席している中、同師の学長任命に対して抗議行動を行った。ザーヘディー科学技術相以前、ジャアファル・トウフィギー氏—彼もまた、離任・就任式典に出席していたのだが—が同省の大臣を務めていた時には、大学の学長は学術委員会の投票によって選出されていた。しかし、ザーヘディー科学技術相は就任以来、この慣例を過去のものとし、学長を任命によって交替する手法を採用した。同相は科学技術省の新たな方針に沿い、アミード=ザンジャーニー師をファラジー=ダーナー氏の代わりに、テヘラン大学学長のポストに据えたのである。

 日曜日、テヘラン大学中央図書館の前に集まった学生らは、式典後に外に出てきたアミード=ザンジャーニー新学長を取り囲み、学長室のある建物に向かおうとする同師に対してシュプレヒコールを上げて、同師の学長任命に抗議した。そのような混乱の中で、アミード=ザンジャーニー師のターバンが、同師の頭から落ちるという出来事が起きた。数分後、法政治学部のイスラーム協会の一室にて、〔暴力的行為によって〕アミード=ザンジャーニー師のターバンをふるい落としたとの廉で、一部の学生が同協会の書記を殴打する事件が発生した。殴打された人物は、シャルグ紙とのインタビューで、新学長に暴力を働いたことは一切ないと主張している。

 ■前代未聞の早さで行われた離任・就任式

 日曜日の午前10時、テヘラン大学中央図書館・文書館は、離任・就任式での演説を聴くために駆けつけた、科学技術相、最高指導者事務所大学問題代表、護憲評議会報道官、国会教育研究委員会の一部委員、在テヘランの各大学学長らの受け付けに追われていた。つい先日までアッラーメ・タバータバーイー大学学長を務めていたが、ホッジャトルエスラーム・サドルッディーン・シャリーアティー師の新学長就任によって学長の座から退いたナジャフ・ゴリー・ハビービー氏、ジャアファル・トウフィギー前科学技術相らも、同式典に顔を見せた。

 会場は満席で、立ち見の状態で演説に耳を傾ける者すらいた。〔中略〕まず最初に、セイエド・ジャアファル・シャヒーディー氏が、テヘラン大学の長老格の教授として、三分間演説を行った。「学長というポストは、人に権威を与えるようなものではない。学長の座を退くことは、その人から権威を奪うようなことではないのである。学長という職は、政府や国民に対する奉仕に他ならない」。

 シャヒーディー氏に続き、レザー・ファラジー=ダーナー前学長がステージに上がった。大学の教官や職員らが敬意を表して起立し、長い間前学長に対し拍手をした。ファラジー=ダーナー氏もステージの前で、出席者に一礼し、演壇に登った。〔中略〕ファラジー=ダーナー氏は離任演説で最後に、同氏の就任式で行った演説の最後の部分を引用した上で、離任式があまりに急であったために、自らの任期中の数年間に行ったことについてきちんと報告することができなかったことを、出席者全員に詫びた。「離任・就任式の開催について話が出た時、これまでの大学の慣例のように、学長交代後数日後に式典が行われるものと想定していた。残念ながら、私自身もいまだよく分からない理由によって、辞令発表の翌日に式典が開かれることになってしまった。これほど大急ぎで式典を執り行うのは、前代未聞のことであり、そのために、この種の式典では主要なプログラムとして通例行われるはずの実績報告をする余裕が得られなかった」。

 ファラジー=ダーナー氏は最高指導者事務所テヘラン大学代表のホッジャトルエスラーム・アブートラービーに感謝の意を述べた。一部学生や教官らの間で、テヘラン大学学長の交替は、アブートラービー師の反対にあっていたとの噂が流れていた。同師が海外に行き不在であった10日間のうちに、科学技術省の高官やテヘラン大学の有力者らが、テヘラン大学学長の交替を決めてしまった、と言われている。テヘラン大学及びテヘラン医科大学学生イスラーム協会政治部書記もイラン学生通信に対して、次のように語っている。「ハージ・アーガー・アブートラービー師の不在をつく形で、新学長の任命が行われたことに、われわれは抗議する。平穏な雰囲気の中で、大学関係者や各学部参加の学術委員会にきちんと情報が伝えられた上で、新学長の決定が行われるべきであると考える」。

〔中略〕

 ファラジー=ダーナー前学長に続き演壇に登ったのは、モハンマド・メフディー・ザーヘディー科学技術相であった。同相は科学技術省の政策について、詳細に論じ、最後にテヘラン大学新学長について、数点述べた。「この大学は国の科学の眼であり灯である。ファラジー=ダーナー氏はイスラーム体制と革命のために戦う兵士であったし、今もそうである」。アミード=ザンジャーニー師任命については、次のように語った。「このような人物の存在によって、イスラーム神学校と大学の連携が可能となるのだ。同師に学長就任につき話をした時、同師は次のように言ってくれた。何年も前にそのような話があったが、その時は断った、しかし今は長い人生の中で得てきた名声を、テヘラン大学のために投げ打つべき時が来たと感じている、と」。

 〔中略〕

 ■学生たちの抗議

 離任・就任式が終わると、科学技術相や最高指導者事務所大学問題代表らは、中央図書館南口より外に出た。しかし、北口から外に出た新旧の学長二名は、アミード・ザンジャーニー師の学長任命に抗議する数百名の学生に遭遇することとなった。学生らは「中卒者が首席で大学を卒業した技術者を罷免〔?〕」、「ザーヘディーがファラジーの道を閉ざし、学問(ダーナーイー)を閉じ込めた」などと書かれたプラカードを手にしていた。学生らは〔道端に立って〕人一人が通れるだけの通路を、中からでてきた人物が必ずそこを通らなければならないような形で作った。ファラジー=ダーナー氏が図書館から出ると、学生らは同氏に激励の声をかけた。ファラジー=ダーナー氏も、二言三言、学生らに話しかけている様子であった。しかし、アミード=ザンジャーニー師が図書館から出ると、学生らから抗議の声が上がった。学生らは学長室のある建物に向かおうとする同師に、建物のドアのところまでついて回り、「任命された学長は辞任せよ」、「学生は今、瀕死の状態だ。もう耐えられない」などのシュプレヒコールを浴びせた。

〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:1406 )