地球温暖化のしわ寄せは地中海諸国に―国連環境計画が報告(Radikal紙)
2005年11月05日付 Radikal 紙

地球温暖化の影響は地中海沿岸で最も深刻で、干ばつが拡大し、水をめぐって紛争が起きる、海岸の50%はコンクリートで埋められる...

海岸をコンクリートで固め、自動車の使用を広め、廃棄物の山でいっぱいの地中海沿岸諸国が地球温暖化から最も影響を受ける地域であることが判明した。
国連環境計画(UNEP)地域活動センターのブループランによって21の地中海諸国から300人の専門家が参加して作成された430ページのレポートが昨日パリで出版された。レポートによると、地中海沿岸の国々は根本的な改革と南北の協力がなければ、2025年までに深刻な環境問題を引き起こす。スペインからギリシャまでの12の北側諸国(先進国)とモロッコからトルコまでの南側諸国(発展途上国)との間の格差が徐々に広がっていると指摘するレポートの内容は次の通り。

■人口は5億2300万人になる

・人口の急増によって地中海水域の人口は2000年の4億2800万人に対し2025年には5億2300万人に達する。沿岸部の人口は2000年の1億1400万人に対して2025年には1億7400万人になる。
・現在の政策が継続するならば、コンクリート化により今後20年間でさらに4000キロメートルの海岸線が破壊され、コンクリート化の割合は海岸の総延長の50%(2000年時点では40%だった)に達する。
・2025年までに150万ヘクタールの耕地が都市化やインフラの整備のために消失する。
・もともと限られており、給水事情の悪かった水資源は、対策を講じない国で徐々に不足しはじめ、水質の悪化に伴う病気が蔓延、地域紛争の原因ともなる。
・2025年に6300万人に達する南側諸国の地中海沿岸部の住民は、1年間に最低限必要となる500立方メートルの水を確保できなくなる。確保した水資源の質にもマイナスの影響を及ぼす。

■エネルギー消費量は二倍に

・エネルギー消費も今後30年間で2倍に増加する。地中海北岸の国々のエネルギー消費額は記録的な水準に膨れ上がり、生産者である南岸の国々の輸出は減少する。
・北側の自動車の交通量は2.7%、南側では3.4%増加する。
・北側諸国での都市化の進展や、南側諸国での違法な都市領域の拡大、動力付きの乗り物の普及やエネルギー消費の増大は、ごみ問題や大気汚染のような環境問題を深刻化させる。
・地球温暖化は地中海沿岸では、北ヨーロッパに比べ二倍の速さで進行する。これは干ばつ、森林火災、寄生虫感染の蔓延を引き起こす。
・各国政府は消費の内容を精査することや、公共交通機関を重視すること、また様々な種類のインフラに着目する必要がある。

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( 翻訳者:藤巻 晋也 )
( 記事ID:1242 )