作家オルハン・パムク:アルメニア人大虐殺問題をタブーとするトルコ政府の態度は遺憾(Milliyet紙)
2005年12月11日付 Milliyet 紙
作家オルハン・パムクは、トルコ政府が人民に事実を隠し、EU加盟に向けたうわべだけの改革を行っている、と話した。
「トルコを公然と中傷した」という罪で告訴されたオルハン・パムクは、スイスの新聞に寄せた談話で、トルコ政府は事実を人民に隠し、現在の抑圧的な法をEU加盟のために改正しているが、これはうわべだけだ、と主張した。同氏に対して訴訟が起きたため、12月16日に第一回審問に出席することになっているオルハン・パムクは、次のように述べた。「アルメニア虐殺問題と言ったトルコのタブー化していた問題を話し合う時が来た。この事実は、人民に隠されているが、これには感心しない。私は一作家である。この問題がタブー視され、きちんと話し合われないような国に居住するのは遺憾である。」
パムクの「挑戦」がアンカラ政府にマイナスの影響を与えるだろう、とする同紙は「パムク氏の裁判は、レジェプ・タイイプ・エルドアン政府にとっての厳しい困難の根源となった」と伝える一方、パムクに有罪が下ることは、トルコのEU加盟に反対するフランスやドイツにとっては切り札となるだろう、と報じている。また同紙は、パムクは談話中、「後悔からは程遠い」態度であったと報じている。
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( 翻訳者:井上 さやか )
( 記事ID:1482 )