エルドアン首相:宗教はトルコをひとつにまとめるために重要(Radikal紙)
2005年12月12日付 Radikal 紙

 首相は宗教を『上位に位置づくアイデンティティ』とは言っていないと明言した。「宗教は国をまとめ、基盤となるものだと私は言ったのである。アタテュルクもこのことを言っている」と述べた。

 オーストラリアとニュージーランドでの交渉を終えて昨日帰国したタイイプ・エルドアン首相は、宗教が国をまとめる要素であると言った自身の発言に関して明白にしたい点を述べた。エセンボア空港で会見したエルドアンは、「『トルコにいる複数のエスニック集団をまとめる主要な要素は宗教である』とあなたが述べたとある新聞にありますが事実でしょうか、それとも誤解があるのでしょうか」という質問に返答した。

■「99%はムスリム」
 「自分の発言したことにかんして熟知している。これをいつ、何に関して言ったでしょうか。発言、事実をぜんぜん別のことに結びつけて勝手に解釈しないでください。ご存知でしょうが、私はその発言を、共和人民党(CHP)党首デニズ・バイカルがトルコをユーゴスラビアにたとえたことについて用いました。トルコはユーゴスラビアとは違う。ユーゴスラビアではスラブ人、クロアチア人、ボスニア人がそれぞれ別の宗教に属している。同じ宗教でも宗派が別だったりする。しかし、トルコでは約30種のエスニック集団がいても、99%がムスリムで、宗教はひとつの基盤になる。」
 エルドアン首相は宗教について『上位に位置づくアイデンティティ』という表現を使っていないと述べ、以下のように話を続けた。「上位に位置づくアイデンティティとして表現したことは、トルコ共和国の国民であるということだったのである。認めたくない人もいるだろう。再び言うことになるが、宗教はひとつの基盤であり、現在のところ国をまとめる最も重要な要素である。歴史を通じてずっとそうである。偉大なムスタファ・ケマルがこのことに関して述べた言葉にも、宗教は国をまとめ、基盤であるという言を見ることができるだろう。そのためには『アタテュルクの大演説』を読む必要がある。読めばわかる。同じことをエルドアンが言ったのなら別のことに関して引用される。それなのに別の人が言った時は正しいことになる。
 アイデンティティの議論も同じことだ。昨日、主たるアイデンティティがトルコ共和国民であることを言った者が、今、『そんなことを言っていない』とか、『別の意味で言った』とか言う。私たちは、自分が何を言ったか分かっている。今現在もトルコ共和国国民ということを主たるアイデンティティとして、このことを一つの枠組みとして見つつ、国のまとまりを維持している。
 一つの国旗、一つの民族、一つの祖国と私は言っているのに、まるで一つの民族ではなく二つの民族とでも私が言ったかのように、まるで耳が遠くなっているみたいにうけとめられる。このような表現は私の口から一度も出ていない。

■免除金納入による兵役の免除
 免除金納入による兵役の免除に関する質問に対してエルドアンは、オーストラリアでは国民から要請があることを強調し、以下のように述べた。「我々は、『このことに関して参謀総長や権限のある組織と相談し、できることがあれば実行する』とは言った。『わかった、これをとり決めよう』とものごとを進めたわけではない。相談した後確実に国民の不満を取り除ける決定がなされることを望んでいる。」

■「チョメズ議員に追放はない」
 公正発展党のアフィヨンカラヒサル選出議員のマフムト・コチャクがエルドアン首相の党首としての権威を批判したり、同党バルケスィル選出議員トゥルハン・チョメズが首相と面会できないことに関して不平の意を表明したが、この件について首相は以下のように話した。「国会議員は国会や党委員会で見解を述べる権利がある。ここで問われる一つのことは、民主主義においていつもトップになるものがあるということだ。民主主義の中にも規律がある。
 ちょっと読んでみたが、こらしめられるだの、エルドアンがやってくるだの何だのと。こんなことは見苦しいことだ。でたらめをでっちあげないでほしい。我々はここまで簡単に来たわけではない。そんなに安っぽくない。公正発展党は党内部で民主主義を最もきちんと実行している党である。我々はゆったりと胸を張ってこれを保持している。だから自分を見世物にするようなことはやめてほしい。」

■トスン議員と軍
 公正発展党トカト選出議員レスル・トスンの提案した『国会保護隊と軍のビルを郊外に移動する』ことに関して、首相は「議員である同僚の一人が新聞でコラムを書き、自分の考えを述べる。この件はその程度のことだ。ある考えを表明しただけで、それを誇張して大騒ぎするのは無意味だ」と述べた。参謀総長がトスン議員の発言に『個人的なたわごと』と反発したことにも、エルドアンは「それにも敬意をはらおうじゃないか」という返答を述べた。


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( 翻訳者:堀ノ内夏子 )
( 記事ID:1497 )