イラクのクルド民主党党首バルザーニ、エルドアン流のアイデンティティ解釈を表明(Milliyet紙)
2005年12月14日付 Milliyet 紙

クルド自治政府首相メスット・バルザーニは、「ヤズディ教徒であれ、キリスト教徒であれ、ムスリム、トルクメン人、ケルダーン人、アッシリア人、クルド人であれ一切関係ない。北イラクで生活している誰もが『クルディスタン人』だ」と述べた。

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相のシェムデンリ訪問により始まり、長い間トルコ国内政治の焦点となっていた『下位アイデンティティー-上位アイデンティティー』論争が、北イラクに飛び火した。イラククルド民主党党首で、クルド自治政府首相メスット・バルザーニは、明日行われる連邦議会選挙を前に、「クルド人であれアラブ人であれアッシリア人であれヤズディ教徒であれ、ここで生活している人はクルディスタン人だ。木曜日の選挙にはこのような意識を持って来ることが必要だ」と述べた。

■「何人でも何教徒でも構わない」
セラハッディン市で、ヤズディ教徒の代表と会談したバルザーニは、「クルディスタンとされている北イラクにいる誰もが『クルディスタン人』であることを主張した。北イラクには多くの異なった民族や信仰別のグループがあると話すバルザーニは、次のように述べた。
「あなた方はこの土地で生まれ育ち自由に生活している。ヤズディ教徒であれキリスト教徒あれムスリムであれ、トルクメン人であれケルダーニ人であれアッシリア人であれクルド人であれ全く関係ない。あなた方は皆『クルディスタン人』だ。ここで自由に生活し、信仰には誰も干渉しない。あなた方が行っている出版や放送を誰も妨げない。この自由を守るには、選挙で『クルディスタン人』であることを忘れてはいけない。今こそ一致団結するときだ」。

■「クルド同盟に投票を」
選挙を前にクルディスタン人としての自覚を促したバルザーニは、投票での協力も呼び掛けた。バルザーニは、「クルディスタン」とされる地域で、今日まで勝ち取ってきた功績を守り、イラク連邦議会における声をさらに強いものにするために、この地域で生活している人全員がクルド同盟の候補者に投票することを求めた。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:1506 )