国防相に対する弾劾案が了承 シャルグ紙
2005年12月14日付 Sharq 紙

2005年12月14日付シャルグ紙7面

【政治部】モハンマド・ナッジャール国防軍需相に対する弾劾案が、国会議長団に了承された。これにより、国防相は自らに対する弾劾事由に対して回答するために、10日以内に国会に出席しなければならない。国防相に対して与えられた猶予は来週の木曜日までで、国会議長団の一人であるハーミド=レザー・ハージー=バーバーイー議員によると、弾劾案は最大でデイ月4日〔12月25日〕日曜日まで、国会で審議される。

 国会の少数派は、プレス関係者らを乗せたC-130軍事輸送機の墜落事故を理由に、国防相に対する弾劾案を提出し、同案は昨日、国会公開審議終了時に読み上げられた。同案の骨子は以下の通り。

1.軍事輸送機に輸送任務が与えられたのは、いかなる許可に基づいたものだったのか、また搭乗者に搭乗券が売却されたのは、どの当局者の命令によるものだったのか。

2.最新の技術報告書によると、〔飛行前にすでに〕エンジンに技術的な欠陥があることが確認されていたとされているが、なぜ問題の解消が完全に確認される前に、輸送機に飛行許可が与えられたのか。

3.パイロットと管制官の間の通話によると、3基のエンジンが動作していたとされるが、なぜその時に〔墜落する前に〕輸送機は〔テヘランの〕メフラーバード空港に着陸しなかったのか。

4.同機の離陸が5時間遅れた根本的原因は何か。

5.輸送機はどれくらいの超過荷物を積載していたのか、そして重心は輸送機のどこに位置していたのか。

6.〔パイロットと管制官の間の〕通話記録や目撃証言から、一基のエンジンから火が出ていたとの報道があるが、なぜこのことについて軍の側から何らの指摘もなされていないのか。

 以上の弾劾案は、国会少数派を構成するヌーロッディーン・ピールモアッゼン、イーラジ・ナディーミー、エスマーイール・ゲラーミー=モガッダムの三名の議員が、弾劾案を了承するよう国会議長団に要求して実現したものである。〔中略〕

■ 弾劾案に対する三派の反応

 国防相に対する弾劾案の了承は、様々な反応を呼んだ。ピールモアッゼン議員はシャルグ紙とのインタビューで、次のように語った。「われわれは弾劾案の結果がどのようなものになるのかについて、これといった予想はしていない。むしろわれわれは、この惨事の真相が透明性をもって明らかにされることを求めているのであり、弾劾は国会による監視を実現するための、最も直接的で効果的な手段であると考える」。

 また、別の少数派議員らは、現在の第7議会発足から間もない頃に、ハータミー政権で運輸相を務めていたアフマド・ホッラム氏が弾劾されたことに触れ、当時《原理主義派》議員らが、航空機事故や自動車事故が頻発したことに対し、国民や遺族らに対して行い得る最低限の敬意として、管轄の運輸相の罷免を決定したことを指摘した。少数派議員らの見るところ、今回の弾劾案は、原理主義派が主義主張を共にする政権の閣僚に対して、ハータミー政権の閣僚に対して行ったのと同じ対応を示すのかどうかをはっきりさせるための、実践テストとなるというわけである。

 このような中で、原理主義派の議員らの多くは、国防相に対する弾劾案に対して否定的な反応を見せた。弾劾は必要なく、現在のところ原因究明委員会の調査結果が発表されるのを待つべきだ、というのが彼らの考えである。原理主義派議員らの話によると、この事故は国防相の管轄とは直接的な関係はなく、軍所有の軍用機の墜落事故において、国防相に非があるのか否か、必ずしも明瞭ではない、というわけである。

 しかし、原理主義派議員らの中には、弾劾案も一つの選択肢として肯定的に捉える議員も、一部には存在する。テヘラン選出のエマード・アフルーグ議員もその一人で、同議員はシャルグ紙に対して、次のように語った。「私は弾劾に反対ではない。ただ、政府が同事件について調査を約束したことを考えると、最大で10日、政府に調査結果を発表するまでの機会を与えるべきであるというのが、私の考えだ」。同議員は続けて、「もし調査結果が納得いくものでなかった場合には、あるいは報告が全く行われなかったような場合には、その時に弾劾を真剣に考えるべきであろう」とした。

 アフルーグ議員は、国防相はこの事件に直接的な関係はないとする、一部の考え方に否定的立場を採り、「法的、道義的、構造的理由から、国防相には説明責任があるはずだ」と述べた。

〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:1508 )