イスラエルはヨーロッパかアメリカに移転せよ:アフマディーネジャード大統領、ザーヘダーンで語る シャルグ紙
2005年12月15日付 Sharq 紙

2005年12月15日付シャルグ紙1面

【政治部】マフムード・アフマディーネジャード大統領は、第二次世界大戦でのユダヤ人虐殺を「神話」であるとし、先般のイスラーム諸国首脳会議に出席した際にインタビューで述べた提案に触れ、同提案を「明快かつ合理的な論理」に則したものであるとの見方を示した。同インタビューでアフマディーネジャード大統領は、ユダヤ人虐殺(ホロコースト)を一主張にすぎないとした上で、「もしユダヤ人虐殺という主張が真実であると仮定するならば、ドイツやオーストリアの一部をイスラエルの人々に分け与え、ヨーロッパに《シオニスト体制》を樹立すればよい」と発言していた。

 アフマディーネジャード大統領は昨日、ザーヘダーン市民との集会で再度、この内容を繰り返し、次のように語った。

 「もしあなた方が罪を犯したのであれば、あなた方自身の国、ヨーロッパやアメリカ、カナダの一部を、国家樹立のために、これらの人々に与えるべきだというのが、われわれの提案である。そのような場合には、イラン国民が抗議するようなことはもはやないだろうし、《エルサレムの日》にデモ行進を行うこともないだろう。むしろあなた方の決定を支持するだろう。

 ところが、人権を声高に叫ぶ者たちは、この明快かつ合理的な論理に対して敬意を払うどころか、宣伝装置を用いて自らのプロパガンダを喧伝し、イラン大統領は現代の文明世界に自らを適応させることができないなどと主張している。これらの人々こそ、ユダヤ人虐殺という神話を否定する者が現れると、口を大きく開いてわめき散らすような連中に他ならない。そうかと思えば、彼らは、宗教への侮辱行為に対しては、心を痛めることなく、沈黙するのだ。

 もしあなた方の文明が、被抑圧者を侵略し、世界中の自由な諸国民の正義希求の叫びを圧殺することで成り立っているのであれば、われわれはそんな見掛け倒しの文明などご免であると、声を大にして言おう。なんとなれば、イスラームはすでに全人類の権利をきちんと認めているし、平和を全人類に対して呼びかけているからだ」。

 こうして、アフマディーネジャード大統領は再度、パレスチナがユダヤ人虐殺の代償を払う羽目に陥っている現状を理由に、ヨーロッパ西欧諸国を批判、《西洋人》こそがユダヤ人虐殺の責任を取るべきだ、との見解を示した。アフマディーネジャード大統領によると、

 「今日、パレスチナの地を支配する者たちは、やりたい放題、罪なき人民を殺戮することもいとわない。この連中はどこから来たのか?彼らはどこの出身か?彼らの父親はどこの人間で、そのまた父親はどこ出身の人間なのか?彼らは千年前、二千年前までどこにいたのか?なぜこの連中が、パレスチナの将来を決める権限をもち、なぜ何年も、何千年もこの地に暮らしてきた人々が、その権利をもっていないのか?

 この問題に対するわれわれの解決法は、明快だ。我らが国民は、パレスチナ人全員、パレスチナ系の全ての人々が国民投票に参加し、体制のあり方について自らの考えを表明することができるような環境を整えるべきだと主張しているのである」。

 大統領はさらに、次のように力説した。

 「ヨーロッパは第二次世界大戦の際、600万人のユダヤ人が虐殺されたと主張し、明らかにこの主張に固執している。その固執ぶりは、この意見に反対する人物を処罰してしまうほどだ。学者がこの考え方に疑問を投げかけても、そのような学者は厳しい取り締まりにあい、投獄され、処罰されてしまう。ユダヤ人虐殺を主張するあなた方が、自らの主張に凝り固まっているのは明らかだ。

 あなた方がこの重罪を犯したのだとしても、なぜ抑圧されたパレスチナ国民がこの罪の代償を払わねばならないのか?なぜイスラームとパレスチナの心臓部に武力をもって押し入り、その一部をこれらの人々〔ユダヤ人〕に譲り渡そうとするのか?大罪を犯したあなた方は、これらの人々が自らの国家を樹立できるよう、ヨーロッパ、アメリカ、カナダ、あるいはアラスカにある自らの土地の一部を、これらの人々に分け与えればよい。

 もしあなた方がそうするならば、われわれはあなた方にこれっぽっちも抗議することはないし、《パレスチナの日》にあなた方に対してデモ行進をすることもないだろう。反イスラエルのシュプレヒコールを上げることもない。むしろあなた方を支持するだろう。

 この連中は、ユダヤ人虐殺問題を、あたかも神や預言者よりも重要な問題であるかのように、見せかけている。これらの国では、誰かが神や預言者たちを否定しても、全く気にかけない。ところが、誰かがユダヤ人虐殺問題を疑問に付そうものなら、そのような人物を処罰するのである。この連中は大声で、そのような人を罵倒するのである。

 彼らはわれわれに、あなた方は現代の文明社会に生きることはできないなどと言ってくる。われわれは彼らにこう言ってやろうではないか。もしあなた方の言う文明社会とやらが、まさにあの侵略やら不正義やら貧困を意味するのであれば、われわれはあなた方の言う文明社会など願い下げである、と。われわれはあなた方の見掛け倒しの文明など、欲しくはないし、うんざりである。われわれが求めているものとは、イスラームの文化・文明である。イスラームは全ての諸国民、全ての人類の権利をきちんと認め、守ってくれるものだ。イスラームは全人類にとっての安らぎと福祉を、希求するものなのである」。

 大統領は続けて核問題についても触れ、「足のつま先まで核武装し、武器庫を細菌兵器、核兵器、化学兵器で一杯にしている者たちが、われわれが核の平和エネルギーをもつことに対して、いちゃもんを付けているというのが現状である」とした上で、次のように語った。

 「このような装備を有し、戦争でシオニスト体制やイラク・バアス党体制を細菌化学兵器で武装させた連中が、あなた方は核の平和エネルギーをもつべきではない、なぜならあなた方が核兵器開発の方向へと逸脱する危険性があるからだ、などとわれわれに対して言っている!われわれは彼らに言ってやろう。あなた方はわれわれの意図に疑念を有しているようだが、われわれから言わせれば、あなた方は核兵器を平和的に用いていないではないか、自らの目的を完遂するために戦争を始め、自国の武器工場を繁盛させているではないか、われわれはこのことについて、疑念を抱いているのではない、確信しているのだ、と。何百機もの原子力発電所をもっているあなた方に、イラン国民が核の平和利用技術を獲得するのを邪魔する権利はない。これはイラン国民の絶対的な権利である」。

 アフマディーネジャード大統領は、次のように自らの信念を述べた。

 「われわれが核の平和的エネルギーをもつことを、好ましく思わない者たちは、われわれに対して核燃料を自ら生産するな、われわれがあなた方に燃料を提供しよう、などと言ってきている。他方、法的には、他国に航空機のパーツの提供を禁ずる権利など、どの国にもないはずである。他国に航空機の装備を提供することを控えることは、許されないはずだ。

 われわれが、核燃料の件について主張している諸氏に言いたいのは、30年前にわれわれが支払った代金分の航空機のパーツを提供しようとしないあなた方が、核燃料については信用していいなどと、われわれに言い張ることがどうしてできるのだろうか、ということである。あなた方が航空機について行ってきたことを、核燃料については行わないなどと、どうして言えるのか。

 シャーによる過酷な体制がこの国を支配していた時、あなた方はその体制にあらゆる協力を惜しまなかった。ところが、我が国民が自由のために革命を成就させた途端、あなた方は自由を求めたとの罪状で、我が国民に対して制裁を科した。もしわれわれが核問題で妥協しようものなら、航空機の件で起きたのと同様の災厄が、核エネルギーにも起きてしまうだろう。我が国民は、あなた方には騙されない」。

 大統領は演説の別の箇所で、正義というテーマについても触れ、次のように述べた。

 「人間の理性や能力によって、全ての問題を解決することができるなどと考えている者たちはいずれも、現在行き詰まりに陥っている。無神論体制〔共産主義体制のこと〕はすでに、完全に瓦解してしまっているのだ。今日、世界中で圧制、不正義、貧困、権利の剥奪が蔓延っている。今日、世界から平和と正義が失われてしまった。一部のイデオロギーや国家体制は、一部の人々に対して福祉や安寧をもたらすことに成功しているが、永続的な平和を世界中に普及させることには、失敗している。今日、人類は正義と精神的価値に飢えている。ムハンマドの純粋なイスラームこそ、人類の求めるものに対して答えを出すことができ、またそうすることをその義務としているのだ」。

〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:1516 )