トルコ実業家協会(TÜSİAD)、最近の社会問題に対する政府の対応を非難(Milliyet紙)
2005年12月21日付 Milliyet 紙

 トルコ実業家協会は、政府を激しく非難した。協会の高等審議会のアンカラ会議は、イマーム・ハティプ校の卒業生の大学入学条件の変更から大学におけるターバンの着用に至るまで、また、ユジェル・アシュクン教授とオルハン・パムクについて問題の裁判から、EUプロセスの遅延に至るまで、選挙の足切りラインの低下から、新たな法制定への模索に至るまで政府に対してなされた一連の非難の舞台となった。
 実業家協会の会長オメル・サバンジュは、金利格差と失業と地域格差を最も重要な3つの問題として列挙した。「金利格差を生む構造を変えることが条件だ」と述べたサバンジュは、会見で、「EUとの交渉において、政府代表者が、EUの25カ国で行き来する必要があった一方、12月17日の後、外交的なアピールとコミュニケーションにおいて、注意を引くほどの遅延が見られた」と述べた。

■実業家協会会長オメル・サバンジュの見解
1.パムクの裁判には毅然とした態度で
 サバンジュは、トルコに反対するプロパガンダを打ち出して、扇動的に問題を探し出すような者をうっかり助けてしまっていると述べ、「公権力がどっちつかずの態度をとっていることや恥知らずないくつかの法律は、我々がトルコの到達した民主主義の水準の高さを海外に伝える努力をしているなかで障害となっている」と述べた。サバンジュは、「オルハン・パムク、フラント・ディンクの裁判とともに、イスメト・ベルカン、ムラト・ベルゲ、ハルク・シャーヒンとエルオール・カトゥルジュオールについても裁判が開かれた。この裁判に対して、法をただ追認してあきらめるという態度ではいけない。法律が現代的で、多元的で、民主的なスタンダードに適していないことに対する政治的な責任を取り上げて、この問題にアプローチしなければならない」と話した。

2.選挙の足切りを7.8%に下げることができる
選挙のシステムにおける唯一の関心が政治的な安定であってはいけない。足切りの基準が高い現行の選挙システムは、より多くの死票を生み、代議制の矛盾が広がる原因となりうると述べた。サバンジュは、次のように話した。「足切り基準を絶対にもう少し下げなければならない。さらに、選挙システムを選挙の代表者にもっと簡単に責任を問うことができ、政治にさらに積極的に参加できる構造を再検討しなければならない。」
 オメル・サバンジュのこの意見に対して、大統領のセゼルも賛成した。セゼルは、「通常の選挙において適用されている10% の足切りを、7~8%に下げることができるだろう。」と述べた。
 会議のメンバーが大統領セゼルとマスコミに対して非公開で行った会議でも、セゼルの『代表における公正、方法における安定』という理念の枠組みで、「個人的な私の意見では足切りは7~8%に下げることができる。しかし、足切りを排除する、あるいは、大幅に下げるということは、政治的な安定という観点からは問題を生じうる」という意見が伝えられた。

■実業家協会高等審議会会長ムスタファ・コチの見解
3.アシュクンに対するやり方は認められない
 実業家協会協議会会長ムスタファ・コチも、アシュクンの裁判プロセスに触れ、「アシュクンに対しふさわしいとされる待遇と長い拘束期間を認めることはできない。私たちは、裁判のプロセスに対して公正であると信じている。しかし、周囲の『世論に影響を与えようとする努力』と見られかねないこの態度は、裁判のプロセスに深刻な影を落としている。

4.教育が政治的な偏見によって形成されている
 コチは、教育において改革が必要だと言われていることに触れ、次のように述べた。「大学に関する完全な政治的偏見と反感でもって作り上げられた問題が事前計画で提起された。大学は、ターバンと高等教育機構の周囲で続けられている権力闘争によって占領されている。中等教育において重大な改革が必要である。根本的な大きなギャップが、職業高校にはある。成功している国ではどこも職業高校は直接職業に結びついている一方、私たちの国では、職業高校を大学につながるステップとして利用できるようにするために衝突が起きている。」

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( 翻訳者:新井 慧 )
( 記事ID:1557 )