アゼルバイジャン共和国の天然ガス、イラン経由でナヒチェヴァンへ ハムシャフリー紙
2005年12月21日付 Hamshahri 紙
2005年12月21日付ハムシャフリー紙
【政治部】イラン・イスラーム共和国とアゼルバイジャン共和国の両政府高官による合同協議が、昨日マフムード・アフマディーネジャード大統領とイルハム・アリエフ大統領主宰の下、ナヒチェヴァン自治共和国最高議会議事堂において開催された。
アフマディーネジャード大統領はこの協議において、二国間関係や両国の交流レベルを良好であると評価し、「イラン・イスラーム共和国は、友人であり同胞であるアゼルバイジャン共和国との関係拡大には、無限の可能性があるものと確信している」と述べた。
(中略)
両国の大統領は、ナヒチェヴァン自治共和国最高議会議事堂での合同協議の後、エネルギー協力に関する覚書に署名した。また、イランのマヌーチェフル・モッタキー外相と、アゼルバイジャン共和国のエルマル・メメディヤロフ外相も、両国の開発援助にかかわる文書に署名した。
さらにその後、アゼルバイジャン共和国の天然ガスをイラン経由でナヒチェヴァン自治共和国へ輸送するプロジェクトの開業式典が、イラン・イスラーム共和国とアゼルバイジャン共和国の大統領立会いの下、ナヒチェヴァンにて開かれた。マフムード・アフマディーネジャード大統領は、ナヒチェヴァン市に設置されたガス灯に点火し、プロジェクトの正式な開始を宣言した。
同大統領は開業式典での演説の中で、アゼルバイジャン共和国との政治・経済・文化面での関係拡大を強調し、「このプロジェクトの開始は、両国の政府関係者が関係拡大ヘ向けて邁進することへの決意の現われだ」と述べた。アフマディーネジャード大統領はさらに、両国政府があらゆる分野での関係拡大を真に決意している旨指摘した上で、「両国の緊密な関係は、両国、さらには地域の利益に資するものだ」と語った。
同大統領は、ナヒチェヴァン自治共和国の市民に向け、プロジェクト開始を祝した上で、イランとアゼルバイジャン共和国の間で交わされた全ての合意内容が、可能な限り早急に実現されることを望む旨述べた。
アゼルバイジャン共和国の大統領もまた、ナヒチェヴァン自治共和国への天然ガス輸送プロジェクトの実現に対するイラン側の協力に感謝の意を示しつつ、「最短期間でこのプロジェクトの開業が実現したことは、イランとアゼルバイジャン共和国の関係が良好である証だ」と述べた。アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領はまた、両国の関係があらゆる分野で、これまで以上に拡大することに期待を表明した。
他方、イランからナヒチェヴァン自治共和国への天然ガス輸送プロジェクトの開業式典も、イラン石油相とアゼルバイジャン国営石油会社理事長出席の下開かれた。この式典においてイラン石油相は、同プロジェクトの重要性を指摘しつつ、同プロジェクトは両国間の経済的、政治的関係拡大に向けた一歩であると表現した。
イランのセイエド・カーゼム・ヴァズィーリー=ハーマーネ石油相は、「このプロジェクトの実現により、ナヒチェヴァン自治共和国で生活する2000以上の世帯に天然ガスが届けられることになろう」と述べた。アゼルバイジャン国営石油会社(SOCAR)理事長もまた、同プロジェクトの実現は、歴史的出来事であり、両国の関係拡大に好ましい影響を与えるだろうと評価した。
〔*注:このプロジェクトは、アゼルバイジャン共和国とイランの天然ガスを交換するもので、アゼルバイジャン共和国からイランに渡された天然ガスの85%相当を、ナヒチェヴァン自治共和国に渡すことになっている。15%は「交換手数料」として、イラン側のものとなる。このプロジェクトに関する条約は、2004年夏にハータミー大統領がアゼルバイジャン共和国を訪問した際に取り交わされたもの。ナヒチェヴァン自治共和国は、アゼルバイジャン共和国の一部だが、アルメニア共和国の存在によって互いに分断されている〕
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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:1569 )