英国「エコノミスト」誌、トルコにおける一夫多妻制をレポート(Milliyet紙)
2005年12月23日付 Milliyet 紙

英国の雑誌「The Economist」は、一夫多妻制は部族制や宗教規範が色濃く残り、クルド系の人が多く住んでいる地域において広範に見られる伝統的習慣であると紹介した。

同誌は、最新号で一夫多妻制(ポリガミー)を特集し、これがクルド系の人が多く住んでいる地域において広範に見られる伝統的習慣であると紹介した。根強い一夫多妻制の習慣がこれを犯罪と見なすトルコの法律をどうやって拒むことができたのか、ディヤルバクルでの印象を交えて伝えた同誌は、(クルド系の)DTP(民主市民党)党首アフメト・チュルクも亡くなった兄弟の妻を二人目の妻に迎え入れたと書いた。

■「コーランは4人の妻までの認めている」
ディヤルバクルのサルダル村の60歳になるアブデュルカーディル・シュメル村長には、2人の妻と13人の子どもがいる。「The Economist」誌はシュメル村長が孫の人数を知らず、「私の務めはクルド人の人口を増やすことだ」と話したと書いた。
シュメルの兄弟のシュレイマンにも2人の妻がいることも明らかにした同誌は、村のイマームであるテヴェケリ・ユルドゥルムが「コーランは男性に4人までの妻を認めている」と話したことを伝えた。
シュメル兄弟が伝統と近代性が時に共生し時に反目し合うトルコにおいて、法を無視していると指摘する同誌は、「都市に住むトルコ人女性は、ヨーロッパの大半の女性がそうであるように、不貞であることを離婚の理由とみなす。しかし司法の担当者は、トルコの7100万の人口の3分の1を占める農村部での一夫多妻制を見て見ぬふりをしている」と解説した。

部族制や宗教規範が色濃く残り、社会的地位や力が数によって決まるクルド系の人が多数を占める地域で広範に見られる一夫多妻制は、時には生きることを助けるすべとなると述べる同誌は、その例として亡くなった兄弟の妻を「不名誉から救うために」二人目の妻として迎えたアフメト・チュルクを挙げた。一方サルダル村のシュレイマン・シュメルは、「はじめの妻が男の子を産めなければ二人目の妻を迎えざるをえない。畑で働かなければならないので可能な限り男の子が必要なのだ」と語っている。国の保健師が、出産制限の考えを知ってもらうため年に二回同村を訪れているとも伝える同誌は、言葉が分からずコミュニケーションに困難をきたすため、村民にはあまり理解されていないことを明らかにした。

同誌は、一夫多妻制において、恋も一つの役割を担っていると話すディジュレ大学の社会学者レムジ・オトの次のような研究も紹介した。
「50人の複数妻帯者の男性を対象に行った調査で、彼らの3分の1は恋に落ちてから二人目の妻をめとったことが分かった。彼らのほとんどは若くして結婚を強いられたようだ。二人目の妻を迎えることを、自分自身の証明、男らしさの発見、あるいは真の恋愛経験の一つの手段と見なしている・・・」。

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( 翻訳者:近岡由紀 )
( 記事ID:1577 )