2005年12月20日付シャルグ紙2面
【IRNA】ゴムの専門家会議議員であるアブドッ・ナビー・ナマーズィー師は昨日、「女性が専門家会議にいる必要はない」と発言した。
同師はその上で、「イスラームが命ずるところによると、学問的にイスラーム法に精通している場合でも、女性が最高指導者専門家会議のごとき機関に参加する喫緊の必要性はない」と付け加えた。
ゴム講師協会の会員である同師はさらに、「この神の教えによれば、女性の活動にとって優先されるべきは、子供の養育であり、家族の囲炉裏をつねに暖かくし、社会的害悪の発生を未然に防ぐことにある」と続けた。
同師はまた、「イスラームは、一部の社会的領域で女性が職業に就くことを、極めて重要なことであると認めている。しかしながら、このことは優先順位をきちんと守った上で、行われるべきことである」と語った。
***解説***
最高指導者専門家会議とは、もともと革命後に憲法草案について協議することを目的として設立されたもので、その後ホメイニーの後継者となる最高指導者選出のための会議として、憲法に規定されるようになった。
専門家会議は、86名の任期8年のイスラーム法学者らによって構成され、最高指導者の言動のチェック、病気や死亡による職務遂行不能時の新たな最高指導者選出の権限を有する組織で、年に一度一週間にわたって会議を行うことになっている。
これまで、この会議は事実上最高指導者の言動を追認する組織となっており、改革主義者のなかには、専門家会議をイスラーム法学者以外にも開放し、より実質的な最高指導者のチェック機関にすべきであると主張する者もいる。
なお、2006年には専門家会議議員選挙が予定されており、同選挙でイスラーム法学者のどの派閥が勝利を収めるのか、最近になって主導権争いが活発化していると伝えられている。特に、《原理主義派》のアフマディーネジャード大統領と極めて近いとされるメスバーフ=ヤズディー師は、伝統保守派の「闘う聖職者協会」や「ゴム講師協会」(いずれも大統領選挙では、ラフサンジャーニー師支持を打ち出していた)に対抗する形で、国会選挙、大統領選に続き、専門家会議選挙でも《原理主義派》の勢力を伸ばそうと躍起になっていると言われる。
このようなメスバーフ=ヤズディー師の動きは、同師がハーメネイー最高指導者に対する影響力をさらに強めようとするもの、さらにはハーメネイー師に代わって自らが最高指導者の地位を掌中に収めようとするものだとする、穿った見方もある。
また、「闘う聖職者集団」といった《改革派系》法学者の党派は、立候補資格が得られるかどうか微妙であり、その観点からも今後イスラーム法学者間の争いの激化が予想される。
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:1612 )