ラーリージャーニー国家安全保障最高評議会書記:ウラン濃縮はイラン国内で実施すべき ハムシャフリー紙
2005年12月05日付 Hamshahri 紙

2005年12月5日付ハムシャフリー紙

【ISNA(イラン学生通信)】AFP通信は、アリー・ラーリージャーニー国家安全保障最高評議会書記の発言として、「核燃料分野におけるイランの営為に制限を加えようとする西側の要求に、イランが屈することはないないだろう。ただし、核活動のセンシティヴな部分については、今後数ヶ月間に限り一時停止する用意はある」と伝えた。

 アリー・ラーリージャーニー書記は、AFP通信のインタビューの中で、「イランは、自らの敵対者らがイランに対して軍事的行動を検討することを断念させるだけの力を有している」との見方を示した上で、さらに「イランの核問題を安保理に付託した場合、西側にとっても困難をもたらすことになるだろう」と続けた。同書記は、「われわれは、イランが必要と考える条件を考慮に入れた提案ならば、それを歓迎したいと思う。つまり、ウラン濃縮はわれわれの権利である以上、イランで行われるべきであるというのが、われわれの条件である」と述べた。

 同書記はインタビューの別の箇所で、「交渉再開の方法を検討することを目的とした、イランとヨーロッパ3カ国の担当官レベルでの協議が、数週間以内に行われる予定だ」とも語った。

 AFP通信は記事の中で、「この協議において、ヨーロッパ3カ国は、ウラン濃縮をロシア国内で実施すべきとのロシア側の提案について検討したいとしている」と言及し、次のように伝えた。「他方、ラーリージャーニー書記はこの点に関し、イランが西側の望む合意内容を受け入れることはないだろうと述べ、交渉はあくまで、イランの核燃料生産に関して話し合われるのであって、他の議題が提起されることはないだろうと付け足した。同書記は、イランは現在、ウラン濃縮作業の再開に対して我慢の限界にきている旨指摘し、数ヵ月以内に再開に踏み切る可能性があると語った」。

 国家安全保障最高評議会書記は、「EU3カ国との交渉では、研究活動や遠心分離機の製造は、いかなるものであれ、協議の対象外である。それゆえ、この活動が再開される可能性は、時を問わず存在する」とした上で、「これらは、交渉とは無縁の問題である。活動再開のあり方と時期に関して決めるのは、われわれの仕事である。われわれは、イラン国内のいくつかの大学で研究を進めている最中だ」と述べた。

 同書記はさらに、「遠心分離機の製造や研究活動の実施によって、爆弾を製造できるとあなた方はお考えか。いや、それは不可能だ。なぜならその製造にあたっては、そこにガスを注入することが必要だからだ」と附言した。

 国家安全保障最高評議会書記は、「イランには、核兵器に使用可能な〔高濃度の〕ウランは製造しないことを保証する用意がある」と強調し、「ヨーロッパは、われわれに限度を超えて、安保理付託の脅しをかけるべきではない。イラン国民は勇敢であり、そのような脅しに恐れを感じることはない」と語った。

 ラーリージャーニー書記は、「〔もし安保理付託といった事態になれば、〕それは両者ともに敗者となる《ルーズ=ルーズ》のゲームとなってしまうだろう。そうではなく、われわれが欲しているのは、両者が勝利を収めるという《ウィン=ウィン》の交渉である。すなわち、われわれは核技術を獲得し、ヨーロッパは〔核技術が平和的に利用されるという〕保証を得る、というものである。もしイランの問題を安保理に付託すれば、われわれは困難な状況に直面するが、しかしヨーロッパも勝者とはならないということを、ヨーロッパの国々は認識すべきである」と続けた。

 さらに同書記は、「安保理に付託された場合、イランに残された選択肢はもはや、核活動の一時停止を取り止めにし、IAEAによる厳格な査察を拒否するといった対抗手段に出る以外になくなるだろう」と警告を発した。

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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:1449 )