コーラン学校に関する刑法改正(Milliyet紙)
2005年05月27日付 Milliyet 紙

 親イスラム勢力に大きな波紋を投げかけ、法務大臣ジェミル・チチェキがイスラム系メディアのやり玉に挙げられる事態に至った新トルコ刑法の「不法な教育機関を開設し運営する者に対する3年以下の懲役刑」が激しい論争の末、改正された。チチェキが嫌々ながら賛成票を投じた改正案によると、無許可のコーラン・コースの開設者や運営者に対し3ヶ月以上1年以下の懲役刑、または罰金刑が科される。懲役刑は罰金刑に代えることができる。法改正を望む圧力は目的を達したと言える。

 新トルコ刑法の改正に向けた発議は昨日トルコ大国民議会総会で出された。公正発展党のハサン・カラらは、世間一般に無許可のコーラン・コースとして広く知られている不法教育機関への刑罰の軽減にかんし、刑法263条の改正を提案した。改正案の29条で「不法な教育機関の開設者、運営者には3ヶ月以上1年以内の懲役刑または罰金刑が科される」いう判断が示された。現行の法律ではこうした罪に6ヶ月以上2年以下の懲役刑が科され、6月1日から施行される新刑法でも6ヶ月以上3年以下の懲役刑が科される予定であった。上限が3年から1年に短縮された懲役刑は「短期間の懲役」の範ちゅうに入るため罰金刑で代えることも可能となる。今回の改正によって、無許可のコーラン・コースの教師はいかなる罰金も支払う必要がなくなった。より刑罰を重くするはずの法改正であったが、現行法よりも刑罰が軽減する結果となった。法務委員会で共和人民党議員は、無許可のコーラン・コースへの刑罰軽減に対し「懲役刑を回避するもの」として反対した。一方、チチェキは沈黙したまま、論争の後は改正の議論に加わらなかった。

<共和人民党:我々は欺かれた>
 欺かれたと述べる共和人民党のアリ・トプズは「ヒズブッラーやアルカイダ、PKKの戦士を養成するために多くの機関が創られたことが忘れられている。共和国の原則に反する意志の表れである」と述べた。さらにトプズは、論争を生んだ条項を承認した責任はエルドアン首相にあると主張した。

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( 翻訳者:永井ひとみ )
( 記事ID:87 )