ハタイに着弾したロケット誤発問題で、米政府、シリア政府へ警告(Milliyet紙)
2005年06月05日付 Milliyet 紙

ブッシュ政権は試験的に発射したスカッド・ミサイルを「誤って」ハタイに着弾させたシリアを、地域の民主化に向けた歩みを乱していると非難した。

トルコ政府と米政府を数ヶ月来悩ませているシリア問題は、トルコのエルドアン首相とブッシュ米大統領が6月8日に行う会談を前に、再び重要事項として浮上している。
シリア政府が試験的に発射したスカッド・ミサイルが「誤って」ハタイに落ちたことは、トルコ政府が見逃したにも関わらず、イスラエル政府高官が遺憾の意を示したことで、米政府の議題に上がった。
ブッシュ政権は、シリアのミサイル試射を非難する一方、レバノンで反シリア政府の新聞記者が暗殺されたこと、さらにアブムサブ・アル・ザルカウィ派の「テロリスト」がシリアからイラクへの潜入が相変わらず続いていることも、シリア政府への不信感を高める要因になっている。

■地域に背く
米国務省の新しいスポークスマンであるショーン・マコーマックは、シリアのミサイル試射にかんする質問を受けて、この試射は「シリアが近隣諸国の発展と足並みを揃えられなかったことを示す一つの例である」とした。マコーマックは「左方にはレバノンが、右方にはイラクがある。この国々の国民は、より自由で安心して暮らせる国や地域の基礎を形成する政治、経済、治安維持の分野で組織作りに励んでいる。それゆえこの事件は、シリア人たちがこの地域で起こっていることとともに歩んでいくことが出来ないという事実を反映する一つの例である」と述べた。

■殺された新聞記者
シリアの国の持つ財産や影響力を厳しく批判していたことで知られるレバノン人新聞記者セミル・ケシルが、車に仕掛けられた爆弾で殺されたという事件で、レバノンの野党はシリアのメディアと親シリアのエミール・タフード大統領を非難する一方、米政府はいかなる人物や国の責任を問うことも避けていた。
しかし、暗殺を「不愉快なことだ」と言ったライス米国務長官は、レバノン政府に事件の犯人を明らかにするよう呼びかけた。

■バグダッドも反応
米政府のシリア政府へに対応を厳しいものにした「イラクへのテロリスト潜入」問題は、イラクのホシャイル・ジバーリー外相が今週ライス国務長官と行った会談で取り上げられた。ジバーリーはその後の会見で、この件に関してシリア政府と今後も交渉を続けていくこと、しかし再三の主張にも関わらず「テロリストの潜入の阻止についてシリア政府から十分な協力は得られていない」と述べた。

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( 翻訳者:坂泉穂 )
( 記事ID:134 )