イスタンブルかコンスタンティノポリスか、トルコ・EU合同議会委員会会議紛糾(Milliyet紙)
2005年06月15日付 Milliyet 紙

■「コンスタンティノポリス」に怒り
トルコ・EU合同議会委員会会議において、ギリシャ系キプロス人(キプロス共和国)のメンバーがイスタンブルを「コンスタンティノポリス」と呼び、トルコ人女性が「集中看護下にいるよう」と主張したため議論が紛糾した。

イスタンブルで昨日始まったトルコ・EU合同議会委員会第54回会議において、特にギリシャと南キプロスの委員会メンバーが示した悲観的なシナリオが反発を生んだ。トルコ側は、スカーフ問題を議題に取り上げ、トルコ人女性の状況を「集中看護(下にある)」と評した委員に対し、反発を示した。
モヴェンピックホテルでの会議に出席したオランダの国会議員で欧州議会のレポート「トルコにおける女性の状況」の報告者エミネ・ボズクルトは、「女性の尊重はトルコがEUへ加入するための最重要の条件である」と述べた。

■「女性たちの状況は悲劇的」
代表団のメンバーも、会議に出席した閣僚のニメト・チュブクチュとボズクルトへ質問を向けた。ギリシャ系キプロス人のマリオス・マツァキスは、トルコ女性の置かれた状況を「集中看護下にあるという印象」を与えると述べ、「病気はいまだ良くなるにはほど遠い。トルコの女性たちの状況はとても悲劇的である。トルコではメンタリティが変わる必要がある」と述べた。
マツァキスは、発言の間も、イスタンブルに代わり「コンスタンティノポリス」と呼んだ。一部の代表たちも「トルコにはEUに対する抵抗があり、女子の10%のみが学校へ通わされ、名誉殺害が隠匿されている」という見解を述べた。
トルコ代表団のメンバーで共和人民党議員団長のハルック・コチは、「代表メンバーはまず都市の名前を正確に知る必要がある。今はイスタンブルだ。まるでとても遠くにある、わずかなことしか知られていない国のことを話しておられるようだ。先入観でトルコをいくつかの“服”の中に押し込めることは誤りだ」と述べた。
共和人民党の国会議員オヌル・オイメンは「トルコで何人の少女が政治的・社会的な圧力でスカーフを取ることができないと状況に直面しているというのか?彼女らはは家族か周りの人の圧力を受けているのだ」と述べた。

■チュブクチュ:イスラムモデルは論ぜられず
会議で発言したチュブクチュは、スカーフ問題においてトルコが民主的な共和国のモデルであることや、イスラム的なモデルの議論がなかったことについて触れた。ムスリムが世俗主義を自身の信仰を保障するものと考えていると述べたチュブクチュは、次のように語った。
「トルコ人の女性が西洋の真似をしたとは言うことはできない。トルコは各人の選択で築いた国家である。少女の10%しか学校へ行っていなかったなら、とても恐ろしい状況になっていただろう。少女が初等教育を受けている割合は95.7%である。他方で、社会にEUに対する抵抗はない」。

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( 翻訳者:幸加木 文 )
( 記事ID:234 )