上エジプトの子供たちの状況・・マイクロ・スコープの下で(アル・アハラーム紙)
2005年06月12日付 Al-Ahram 紙
上エジプトの我々の子供たち。どのように暮らしているのか。どんな問題を抱えているのか。現地の青少年の状態はどんなであろうか?これらの疑問あるいはそれ以外の疑問が、内閣及び一般流通統計局の管轄下にある、決議採択支援情報センターとユネスコとの協力でなされた研究の中心であった。その目的は、上エジプトの子供たちの状態について、報告書を出すことだった。
その研究には、上エジプトの最も貧しい地域にある多くのセンターが参加した。それらは、アシユート県のアブーティーグとマンフルート、ソハーグのダーレッサラームとゲヒーナトル・ガルベイヤ、ケナのファルシュートである。本研究によって、教育到達度がセンターによって異なり、男児の方が女児に比して教育程度が上であったこと、ダーレッサラームの青少年の教育率は最低で、非識字率が87%に達することが明らかとなった。
また報告書では、女児の身分証明書[訳注:当然のことながら、その人の出生届けが提出されていなければ発行されない]の所持率の低さを示している。特にダーレッサラームでは28%だ。ファルシュートでは、男児99%に対して女児60%である。
保健面に関しては、報告書は、これらのセンターの5456名の子供が出生証明書を持っておらず、出産の33%のみが訓練を受けた専門家の手によって行なわれたと述べている。ちなみに国全体の平均値は69%である。
教育分野については、報告書は、義務教育の就学率の大差を指摘している。特に、ファルシュートとダーレッサラームで、女児の就学率が低い。また、7~14歳の2万5000人の女児が、最終的に学校に行っていなかった。
子供たちが直面している暴力について、報告書は、男児が家族や教師から殴られているのに対し、女児が手ひどく扱われるのは家族からに限られることを示した。また、報告書は、これらのセンターの92%の女児が既に割礼されており、割礼されていない女児の3分の1もいずれ割礼されることを証明した。驚くべきことに、この件について、報告書によれば、若者の75%のみが女児割礼に反対であるのに対し、成人女性の間では90%に達していることである。このことは、青年たちの間に、この問題についての啓蒙が必要であることを示している。
決議採択支援情報センター長のマーゲド・オスマーン博士は、報告書発表会の席で「たとえ子供たちの状況が、国全体のレベルを反映していないにせよ、しかし、それには大きな価値があると見做される。なぜなら、これらのセンターは、エジプトの辺境地域のうちから選ばれ、ユニセフとエジプト政府の間の協同プログラムが集中するところだからである」と明言した。
ユニセフのエジプト代表のエルマー・マンネコールは、上エジプトの子供たちへのさらなる援助を進めるために、報告書に示された成果を活用する必要性を強調しつつ、この報告書に結実した三者の協力を称えた。
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( 翻訳者:榮谷温子 )
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