国家安全保障最高評議会の広報委員会書記とのインタビュー:アフヴァーズとテヘランでの爆発事件におけるバアス党の関与
2005年06月13日付 Sharq 紙


シャルグ紙1面

【政治部=ニールーファル・マンスーリヤーン】
イランが第9期大統領選挙の開催を数日後に控え、候補者たち相互の熾烈な争いによって、社会が政治的雰囲気につつまれている中、昨日、4回にわたり激しい爆発がフーゼスターンの中心都市、アフヴァーズで発生した。これらの爆発は、午前七時、市の住宅・都市計画局のあるビルの向かい側で、また行政計画庁の二階部分で、そしてパーダードシャフル通り二番地にあるフーゼスターン放送局副局長の家の付近で発生した。さらに、報道によると、これらの爆発ではアフヴァーズ市役所で最も大きな被害が発生した。市役所の向かいで起きた爆発は、爆弾を積載した駐車中の「プライド」車〔韓国KIA自動車の大衆車〕が爆発したものだった。続いて、アフヴァーズ都市計画・住宅局の庁舎内でも爆発が起きた。さらに地方当局筋によると、フーゼスターン放送局副局長の自宅付近の爆弾は、爆弾処理活動中に爆発したということだ。処理中に爆発したこの爆弾は、手提げかばんの中に入れられて、アフヴァーズ市パーダードシャフル二番地に放置されていたという。イラン国営通信(IRNA)の報道によると、この爆発事件の発生を受けて、爆弾が仕掛けられていた場所から周囲半径100mにあるビルのガラスまでもが割れたということである。また、アフヴァーズ市から入った他の報道によると、これらの相次ぐ爆発は、短時間の間に連続して、「アマーニーイェ」や「パーダードシャフル」地区で起きており、この爆発によっておよそ80人が負傷(現時点)、8人が死亡したという。一部の当局筋の見解では、事件当時人々の交通が激しかったため、今後被害が増大する可能性もあるという。
 
 アーガーモハンマディー氏:今後も脅威が続く可能性がある

 国家安全保障最高評議会政策・広報委員会の書記である、アリー・アーガーモハンマディー氏は、昨日この爆発が起きた後、シャルグ紙とのインタビューに応じた。彼は、この爆発事件の原因として、選挙開催を前にして、有権者を脅かし、国家の治安に混乱を生じさせることを狙ったものであるとした。彼はゴムで数日前に起きた事件に言及し、次のように述べた。「数日前、ゴムの河川地域とファーテメ・マアスーメ廟でも、同種の事件が起きていた。アフヴァーズでの爆発も、これらの事件の延長線上で起きてきたもので、一部の外国勢力によって起こされたものである」。同氏によると、このような脅威が今後数日間続く可能性があるという。彼は、シャルグとのインタビューの中で次のように続けた。「選挙ボイコット計画が失敗し、大統領選挙への人々の投票率が上昇すると予想されることから、一部の勢力はボイコットという手段を手放し、最終手段に頼るようになったのだ」。アリー・アーガーモハンマディーは、さらに爆発事件を追及するために国家安全保障最高評議会の会議を開催すると述べた。

 負傷者90名、死者8名

 他方、イラン学生通信(ISNA)がゴラームレザー・シャリーアティー・フーゼースターン州政治・治安担当副知事の発言として伝えたところによると、この爆発の発生後、必要な措置を講ずるために、州安全保障評議会緊急会議が開かれたという。

彼はまた、メフル通信とのインタビューで、アフヴァーズで発生した先日の爆弾による負傷者を、市内にあるラーズィー、イマーム、メフル、シャヒード・バガーイーの各病院へ搬送したと述べた。シャリーアティー氏はさらに、アフヴァーズの爆発での被害者の最新の数字について、内務省広報部のウェブサイトに語ったところによると、アフヴァーズでの昨日の事件の結果、現時点で負傷者は90名、死者は8名であるという。同氏はまた、「死亡した被害者のうち一名の身元が分かっていない。他方、負傷した人々のうち21名は、応急手当を受けて、退院した」と述べた。彼はさらに「現在まで、負傷者の一人は重体であるとの報告を受けている」と付け加えた。

シャーリーアティー氏は、現在のアフヴァーズの状況は平穏を保っており、当局のコントロール下にあるとした上で、さらに「今現在、サッカー一部リーグの試合が行われており、通常どおり運営されている」と述べた。同氏によると、破壊された地域の清掃と早急な修復を目的とした措置が、すでに始められているということだ。

同氏は、この事件が前もって計画されていたことを示すような証拠はあるのかとの質問に対して、次のように説明した。「アフヴァーズで先の騒擾事件〔注:今年4月に、フーゼスターン州のアラブ系住民の人口比率を低めることを目的としたペルシア系住民移民計画が政府内で検討されていることを示唆する前副大統領の書簡が出回り、アフヴァーズで大規模なデモが発生、その結果5名が死亡し、約250名が逮捕された事件を指す。なお、イラン政府は騒擾の発端となった書簡を偽造されたものであるとして否定、アラブの分離主義者の謀略として、アルジャズィーラに対し活動停止処分を科した〕が起きた後、我々は27時間に一度の間隔で委員会を開いて、情報交換を行い、状況を分析してきた。この委員会ではすべての公安機関や安全保障を担当する機関、専門家らが状況を分析し、適宜報告を行ってきた」。さらに、「この間、疑わしい動きを示すような情報は、何も報告されていなかった」と述べた。

シャーリーアティー氏は、ゴムの最近の事件に注目すると、昨日の爆発も選挙を巡るいざこざと関係があるのではないか、と指摘した。同氏は、アフヴァーズでの昨日の事件で海外からの破壊分子が関わっていた可能性を否定せずに、次のように述べた。「選挙を間近に控え、国民に恐怖を感じさせる風潮を作り上げようとの企みがあるようだ。しかし、このような行動は、常に逆の結果をもたらしてきており、現在についても例外ではない」。

アフヴァーズはまったく平穏

内務省スポークスマンのジャハーンバフシュ・ハーンジャーニーもシャルグ紙とのインタビューにおいて、アフヴァーズの4箇所で起こった爆発の後、州安全保障評議会が設置され、詳細にこの事件を追及しており、最終的な結論が得られ次第、結果を我々に発表すると述べた。ハーンジャーニー氏はさらに、現在アフヴァーズ市は完全に平穏が取り戻されていると語った。この爆発事件は先のアフヴァーズの騒擾事件と関係があるのかとの質問に対して、関連の可能性を否定しなかったが、明言は避け、調査の結果を待つとした。

死亡者の多くは女性と子供

内務省治安局長のアミール・ホセイン・モザッファルもイラン国営通信とのインタビューで、この爆発事件を追及するため、フーゼスターン州安全保障特別評議会の緊急会議を開いたと語った。内務省安全保障担当次官のアリー・アスガル・アフマディー氏もファールス通信とのインタビューで、さらなるテロ行為が発生する可能性があるとして警告した。同時に彼は、情報省と治安部隊は、現在精力的に事件の追及とテロ分子の割り出しに当たっていると強調した。アフヴァーズ市長であるモハンマド・ジャヴァード・サッダーミー氏も、イラン学生通信とのインタビューで、この事件の被害者30名が入院中であると述べた。その一方でフーゼスターン州知事は、アフヴァーズの昨日の爆発による死者の多くは、女性と子供であったと説明した。アフヴァーズ市はしばらく前も、国会担当の前副大統領モハンマド・アリー・アブタヒー氏のものとされる偽の手紙が流布したことが原因で、数日間に渡り散発的な衝突事件の舞台となっている。この事件は、最終的に衝突事件の容疑者が逮捕されたことで終息している。

アフヴァーズで他の2つの爆弾が処理
【アフヴァーズ=メフディー・マカーレミー・シャルグ紙記者】
日曜日の午前11時、アフバーズ市内の数箇所で起きた大きな4つの爆発によって、多くのフーゼスターンの同胞が死傷した。ニュース原稿を作る最後の数分まで、この事件の人的被害についてのさまざまな報道が伝えられていた。爆弾のひとつは、ナンバープレートがはずされた「プライド」車の中に仕掛けられ、ファーテミー大通りにある市役所の向かいで爆発した。フーゼスターン州政治治安担当副知事が述べたところでは、市役所を訪れていた人々で付近が混雑していたために、この爆発によって何人かの市民が死傷したという。この爆発のあまりの激しさにより、駐車、また行き来していた約15台の車が被害を受け、また市役所職員も何名かが、ビルが揺れガラスが破損したことによって負傷し、病院に運ばれた。シャルグ紙の記者がアフヴァーズから伝えた報告によると、市役所構内と周囲の通りは割れたガラスが一面に飛び散っているということだ。しかし最初の爆弾はフーゼスターン住宅・都市計画庁のビルで爆発した。この爆弾はトイレに隠されており、午前11時ごろ爆発、若干名の職員と問い合わせに来ていた人々が負傷する結果に至った。負傷者のうち2名の容体は重態であると伝えられている。あとの2発の爆弾はフーゼスターン行政計画庁庁舎の2階で爆発し、同庁の職員2名が死亡した。この爆弾は同庁の事務局向かいに隠されていた。他方、フーゼスターン副知事のゴラームレザー・シャリーアティー氏が言うには、これらの爆弾は7〜8分間隔で爆発したとのことである。また、パーダードシャフル通り2番地のフーゼスターン放送局副局長被害者宅の爆弾は、爆弾処理中に爆発した。アフヴァーズの3人の代議士のうちの一人であるハミード・ザンギャネ氏は、この事件を確認した上で、シャルグの記者に次のように述べた。「このテロ犯罪を行った者たちは、体制に対して問題を抱えているだけではなく、彼らが爆弾を人々が頻繁に行き来している場所で爆発させたことからも明らかなように、人々に対しても問題を抱えているような連中だ」。彼はこの事件を非難した上で、人々に警戒するよう呼びかけた。一方でアフヴァーズのラーズィー病院の責任者が伝えたところでは、当病院には昨日の午後までに50人以上が入院しているということだ。アフヴァーズ緊急・救急医療責任者のアリーレザー・ダーニヤーリーも次のように述べている。「負傷者の数名は脳を強打しているため、ゴレスターン病院へ搬送した。また一部の患者は耳と眼を負傷しているため、イマーム、メフル、ターレガーニー各病院へ搬送した」。

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( 翻訳者:岩間縁 )
( 記事ID:255 )