EU委員会報告書にトルコが抗議(Milliyet紙)
2005年05月10日付 Milliyet 紙

EU委員会が、トルコにおける軍-文民関係を改善する際手引きとなるレポートを作成した欧州安全保障研究センターとユーラシア戦略研究センターが実施した共同調査は危機を招いた。ヨーロッパ側は調査の最終レポートで軍の参謀幕僚長官が国防省長官と結びついているとの見解を表明しており、ユーラシア戦略研究センターは4月28日に調査グループから脱退した。オランダ外務大臣によって融資された退役軍人と多くは文民からなる調査グループは、「トルコの軍-文民関係最終レポート」を2月に完成させた。調査グループ長である元オランダ国防省長官であったフィン・ファン・エーケレン氏は、最終レポートでトルコ側の見解を考慮に入れずに、参謀幕僚が国防省長官と結びついていることを示唆した。ユーラシア戦略研究センターもこの論議の発展に対する抗議文で、「レポートで言及されなかった件、決定されなかった件もある、慎重さが反映されなかった。この形でのレポートを私たちは承認することはできない。これは私たちが共同で製作したレポートではありえない。」と答えていた。欧州安全保障研究センターはこの件について、ユーラシア戦略研究センターにイギリス、フランス、ドイツ、オランダ、マケドニア、トルコの文民ー軍人関係のブリーフィングを行った。この報告書で、トルコ以外の国で参謀幕僚が国防省と結びつきがあること、国防省本部がより大きく、実質的な決定をする権限があることがトルコ側に示された。ユーラシア戦略研究センターもトルコの安全保障構造にとって比較は誤りであることを明らかにした。

欧州安全保障研究センターはこの抗議について、「EUは1つの組織である。これに入ることを望むなら、この規則に従わなければならない。」と最後通牒をつきつけた。ユーラシア戦略研究センター当局も「トルコのEU加盟などという条件は無い。EU加盟は好みの問題であり、条件ではない。」返答した。トルコ側の見解が考慮されるという約束がされたにもかかわらず、5月10日に公開予定のレポートがアンカラに届くと、欧州安全保障研究センターの見解に変更はなかったことが判明した。





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( 翻訳者:栗林尚美 )
( 記事ID:38 )