トルコへの保証-EU首脳共同声明で2004年12月の拡大方針を確認(Milliyet紙)
2005年06月18日付 Milliyet 紙
EU首脳は、昨日行った共同声明で2004年12月の決定を完全に履行してEU拡大を継続させる方針を確認した。
ブリュッセルで開かれたEU首脳会談は、欧州憲法と予算の問題が最重要課題となった。拡大に向けた取り組みも再度確認された。最終報告で、2004年12月のEU拡大の決定を遵守するとしたEU首脳陣は、トルコと10月3日に加盟交渉を始めることを確認した。
根強い「拡大は棚上げされた」「トルコとの加盟交渉は見通しが立たない」との見方にもかかわらず、最終報告には「形式的」であれ拡大に向けた確かな歩みが記された。
■「完全に実行されるべき」
首脳会談の最終報告の1ページ目には「欧州評議会は2004年12月16~17日の拡大問題に関する決定を想起し、この決定が完全に実行される必要があることを再確認する」と記された。首脳陣はこの文言で、2つの加盟プロセスについてメッセージを出したことになる。1つ目は加盟協定にサインしたブルガリアとルーマニアの加盟が実現すること、2つ目は10月3日の交渉開始が予定されているトルコが「軌道から外されないこと」だ。最終報告で、ブルガリアとルーマニアは国名が明記されたのに対し、候補国のクロアチアとトルコの国名はなく、一般論として記された。
■「特別首脳会談」への関心は低調
最終報告でのこうした表現は「拡大問題で基本認識は示されたが、詳細には踏み込まない」というところまで達した合意から生まれた。25人の首脳たちは、憲法と予算というそもそも大変難しい問題に加え、さらに紛糾が予想される「EU拡大」を議題に盛り込むことを避けた。
フランスのシラク大統領が、遠まわしながらトルコをテーマとする特別首脳会談の開催を表明したが、他の首脳の反応は冷たかった。Milliyet紙上で拡大問題に関する論争について解説したあるEU幹部は「今回の会談で、EU拡大の延期または打ち切りに向けたいかなる見解も示されなかった」と述べた。また「トルコの加盟に不満を持つことで知られるオーストリアですら、拡大の継続に賛成の態度を取っていた」と語った。
■予算危機に解決策なし
憲法の危機を“時間の経過”で乗り切るEUは、今度は予算をめぐる問題でつまずいた。本紙が印刷の準備をする時間(未明)になっても25人の首脳は、2007~13年の予算に関して合意に達しなかった。一日中加盟国それぞれの求めに応じるため奔走した今期のEU議長国ルクセンブルクの提案は受け入れられなかった。朝方になって出された最後の提案は、イギリス、スペイン、オランダ、スウェーデンから拒否された。EU予算への寄与に応じてイギリスに支払われる還付金制度が合意形成を阻む要因となった。4カ国がルクセンブルクの提案を拒否した後、10の新加盟国が再審議を要求して「我々は予算案を成立させるために犠牲を行う準備がある」との態度を表明した。
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( 翻訳者:藤巻晋也 )
( 記事ID:250 )