アメリカ政府はトルコの世俗体制を変えようとする意図は全く無いと言うEdelmanは、“トルコについてどのようなときもモデル国家としての枠組みを当てはめなかった”と言う
アンカラで任務を勤めている期間、アメリカがトルコへ“穏健イスラム”モデルを定着させようと、そしてこの目的のために共和国の世俗主義体制を緩和させようとしていることで激しい論争の舞台となった。この件でアメリカに向けられた批判をどういう風にお考えになりますか。
EDELMAN:ここでは間違った解釈が行われていて、そしてこれはとても広まっている。わたしたちの見解によれば、トルコは人口の大多数がムスリムである、世俗的で、民主的な共和国である。さらに、トルコでのイスラムの伝統は寛容性と開放性に富み、そしてこれはとても良いことである。
アメリカ政府がトルコの行政諸機関、そして世俗主義体制を変えようとする方向での意図あるいは態度は全くない。以下のように申し上げておきましょう、アメリカではその多くが政府外であり、イスラム、ムスリム、パン・イスラミストのような言葉がどのような意味であるかをちゃんとは知らない人がとても多い。これらのそれぞれは本当に異なった概念です。特に政府外の幾人かの人々が時々いかなる意図が無いにもかかわらず行なった講演によりこの間違った理解に貢献してしまったかもしれない。
Powellの言葉
それはそうですが、アメリカ政府代表者の最近のトルコに関する様々な発表では世俗主義体制へ強い強調が見られなかった。強調が弱くなっていくことはこの解釈の基礎を築かなかったのか。
EDELMAN:この議論はおおむねにおいて前任の外務大臣Powellが行なった演説に源を持った(Powellは‘トルコはイスラム共和国だ’と言った)Powellは、その後にトルコを世俗的な民主主義共和国として認識していることを、そしてこの政策を変えようと意図していないことをかなり詳細な形で説明した。この議論は、特に公式な肩書きを持たないアメリカ人がこの問題を論じるときに概念をきちんと定義せずに用いることからもたらされる。
議論の一つの理由もトルコがモデルとして示されることに起因する。任務の期間中にトルコについて一度もモデルとして言及しなかった。トルコは、世俗的で、民主的で、人口の大半がムスリムであり、そして長い近代化と民主化の過程に成功を収めた、民主主義や世俗主義の価値を知っているEUのフルメンバーになる道を成功裏に進んでいる国である。トルコは全ての国が異なっていることを示す一つの例である。トルコの例はわたしたちへ強力な形で以下のことを示している:ある社会が近代化、そして西洋社会の中で根を張ろうと努力したならば必ず成功できる
( 翻訳者:三澤志乃富 )
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