EU憲法の危機が広がっている。ポルトガル、デンマーク、アイルランドで国民投票の実施が延期された。ユンカーは「市民が拒否するなら辞任する」と切り札を出した。
EU憲法がフランスやオランダで拒否されEUの一体性が問われる中、ルクセンブルク首相ジャン・クロード・ユンカーは現職の国家首脳としては初めて、国民投票でノーが出た場合辞任すると発表した。EUに対して7月10日の国民投票でノーが出た場合には辞任カードを切るというユンカーは、「これは有権者に対する名誉の問題である」と述べた。ルクセンブルクではノーと答えた有権者の割合が10月の世論調査で24%、5月には41%に上昇した。憲法は全加盟国および加盟国民の80%の賛成によって施行されるが、ユンカーは「5カ国以上の国が拒否したら憲法は死んだも同然だ」との理解を示した。
靴下のほころびのよう
チェコ共和国、ポーランド、イギリス、アイルランド、ポルトガル、デンマークは批准プロセスを延期する意向である。ポルトガル外相ディオゴ・フレイタス・ド・アマラルは、6月16-17日のサミットで批准プロセスをいったん中断することが決定された場合、10月に国民投票を行う計画は破棄すると語った。デンマークでは、アンケート調査の結果、ノーが34~42%、イエスが30~36%だった。アイルランドのダーモット・アハーン外相は「サミットの結果を待たねばならない」と述べたが、見通しは暗い。
「EUは成功するだろう」
タイイプ・エルドアン首相は国民投票について「こうならなければよいがと願っていた」と述べる一方、グローバルな影響力を持ちつつあるEUは「どうにか成功をおさめるだろう」との考えを示した。加盟に向けた努力は今後も続けていくとの意向を明らかにしたエルドアン首相は、「われわれはもう受け入れられるとか受け入れられないとかの問題は乗り越えたのだ。もしわれわれが成功すれば全ての加盟国は公正に振舞うだろう」と述べた。
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( 翻訳者:宇野 )
( 記事ID:130 )