6月6日シャルグ紙6面
【政治部】団結強化事務所の広報は、大統領選挙における同学生団体の最終的立場について、声明を発表した。この声明には、次のようにある。
「イラン学生運動にとって、間近に迫った大統領選挙が重要なのは、それが忘れ去られた声なき国民の要求を表明する機会を用意するものであるからである。団結強化事務所はこれまで、選挙の有する啓蒙的批判という観点から、また社会的な審判という観点から、選挙に参加してきた。第9期大統領選挙にどのように向き合うかは、以下の事柄に関する注意深い検討と熟慮が必要である。すなわち、選挙、ならびに国民による直接選挙によって規制される権力機構〔大統領や国会など〕が、憲法においてどのような位置を占めているのか、そして〔それとの比較で〕イランの権力構造において支配的位置を占めてきた権力機構〔例えば最高指導者や護憲評議会といった国民の選挙によることなく権力を享受する機構〕が、過去数年間〔国政において〕どのような機能をはたしてきたのか、ということに関してである。以下の条件が整えば、選挙は肯定的に評価すべきものとなろう。すなわち、選挙が自由で効力を有したものであること、選挙に必要な前提やそれに不可欠な特徴が世界基準に則った形で確立されていること、選挙の過程で、民主主義を求める政治的・社会的勢力の利益にかなう方向へと〔権力の〕構成が変化すること、そして最後に、選挙を無力化・無効化してしまうような過程の中で、それが無意味なものとなってしまうのではなく、民主主義の推進にとって明るい展望を開くものとなること、などである」。
同声明は、以下のように続けている。
「団結強化事務所総会は、最も重要な意思決定機構であり、全国の大学生イスラーム協会連合は団結強化事務所総会の最終会議にて、権力から距離を置き、党派的な活動を否定するという政策を堅持するために、いかなる候補者も支持しないことを採決した。それ故、団結強化事務所の全主要メンバーは、中央評議会のメンバーであれ、強化事務所テヘラン評議会のメンバーであれ、連合を構成する協会のメンバーであれ、この決定事項を遵守する義務がある。彼らは、学生組織は自らの将来を権力内部に存在する〔特定の〕党派に結びつけるべきではないと考えている。というのも、特定の政党の敗北が、市民社会の敗北に帰結するようなことがあってはならないからである」。
■当選者の無力
その一方で、テヘラン大学経営学部、及びテヘラン医科大学の大学生イスラーム協会もまた、大統領選挙についての声明を発表した。同声明は、8年前の大統領選挙では、権力構造内部の改革への希望によって、「市民社会」の実現をわれわれに約束した人物〔ハータミー現大統領のこと〕を選挙で選んだと指摘した上で、同協会は今回の選挙には参加しないことを示唆した。この声明は続けて、次のよう述べている。「その一方で、学生、知識人、そして各分野で指導的立場にある人々には、可能なあらゆる手段を用いて、肯定的な意味において、国民への情報の提供に尽力していただきたいと考えている」。
現地の新聞はこちらから
( 翻訳者:岩間縁 )
( 記事ID:158 )