コーランコース論争(Radikal紙)
2005年05月30日付 Radikal 紙

公正発展党:非合法のコーランコースを開設した者に対して懲役ではなく罰金刑が課せられる。コースも一種の職場であり、不均衡が解消されるはずだ。
共和人民党:宗務庁管轄下の教育は 問題ない。しかし目的はタリーカ(教団)の経営する学校を守っている。

6月1日に施行される新トルコ刑法(TCK)における変更で、非合法のコーランコースを閉鎖することなく、開設者に罰金刑だけを科すことにした法案が論議を呼んでいる。本来非合法の教育コースを開設した者には3年の懲役刑が課せられることになっていたが、政府改案の新トルコ刑法の263条では、懲役は1年に短縮され、多くは罰金刑で済まされることになる。

<アタテュルクに根拠>
公正発展党議員団長サーリフ・カプスズは、改案を以下のように擁護した。「トルコ刑法は野党とも協議の上で発案した。この類いの条項は体制の同意を得ている。刑法は協議の上で発案したつもりで、我々は多数派の論理を用いてはいないし、上述の理由で承認した。しかしその後いくつかの条項に変更の必要性が生じた。そそもそもこれらの条項は、アタテュルクの時代には罰金刑であった。その後の体制下において懲役刑が課せられるようになったのだ。本題はコーランコースではなく、無許可で職場を開設した者に罰金が課せられることである。私立学校は一種の職場であり、無許可の職場に懲役刑が課せられないなら、私立学校にも課せられるべきではない。こうした均衡を維持するために改案が必要だったのだ。しかし法の妨害となるために我々は改案を出さなかった。結局1年程度の懲役刑で合意したのだ。元々の3年の懲役刑はあまりに重すぎる。」
 カプスズは、この改案がヒズブッラーを始めとした分離主義組織の活動に関わることには反論した。「これらの組織が教育活動に携われば、組織への支援などを罪を助長するであろう。これらに対しては刑法の罪は重くなっている。両者を混同してはならない。」

<憲法第24条>
憲法の「信教と両親の自由」を定めた第24条は以下のように規定している。「宗教および道徳教育は国家の後見および監督の下で行われる。宗教文化および道徳の授 業は初等および中等教育機関における必須授業とされる。これ以外の宗教教育は、個人 の希望と、未成年者の場合にも法定代理人の要求に応じてなされる。 」

<最終的にはセゼルの判断>
この3日間論議を呼んだ法案の、最終的な判断は共和国大統領アフメト・ネジュデト・セゼルが下す。セゼルには3つの選択肢がある。第一に合意である。この場合新トルコ刑法は改正案も含めて6月1日に正式発布される。第二に合意して、263条のみ廃案のため憲法裁判所に持ち込むことである。この場合、新トルコ刑法は施行され、憲法裁判所263条の廃案を決定しても、公正発展党の大多数が改案を出さなければ非合法の教育組織には適用されない。第三に拒否権の発動である。この場合、新トルコ刑法は6月1日をもって、大国民議会で承認された法案を含まずに施行される。263条は新法が出るまで、3年の懲役刑を規定し刑罰の軽減も実行されない。



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( 翻訳者:大島 史 )
( 記事ID:125 )