PKK,ビンギョルで郵便列車が爆発(Milliyet紙)
2005年07月03日付 Milliyet 紙

ビンギョルでPKK(クルド労働者党)党員がレールにしかけた爆弾が、遠隔起爆装置によって爆破された結果、列車7両が転覆し5名が殉職した。救助にかけつけた列車もテロに巻き込まれた。

ビンギョルのゲンチ郡近くで、PKK党員がレールにしかけた手製爆弾が遠隔起爆装置により爆破された結果、エラズー・タトワン間を運行する郵便貨物列車の7両が脱線・転覆した。この攻撃で、鉄道の警備員5名が殉職し、12名が負傷した。救助にかけつけた列車も攻撃に巻き込まれた一方、現場から600m近くのレールにしかけられていた爆弾も爆破処理された。
エラズー・タトワン間を往復(運行)する運行ナンバー52862の20両編成の郵便貨物列車が、10:20頃ゲンチ郡のスウェレン駅近くにあるチャムルユルト付近を過ぎたとき、レールにしかけられた遠隔起爆式の爆弾が爆発した。

■C-4が使用された
列車の中央部分の7両が脱線し転覆した。その車両のうちの5両がレール脇へ転がり、2両はばらばらになった。トルコ国営鉄道職員で警備担当のジェラル・コルクマズ(40)、メフメト・シムシェキ、オズジャン・チュルケル(31)、メフメト・アイギュル(32)、サフェト・アルバシュ(32)が殉職し、警備員3名を含む12名が負傷した。テロリスト達は、ピクニック用のボンベと鉄の破片を使って爆弾を作成し、そして2kg近くのC-4爆発物を使用したことが明らかとなった。爆発は、警備員が乗っていた運転車両の後ろにある職員用車両が通過したときに爆破されたことが発表された。
列車にはゲンチやスウェレン駅で降りる乗客が乗っていたこともあり、45名がいたといわれている。攻撃の後、エラズー・ビンギョル間の鉄道の運行は中止されている一方、現地では空からも捜索が始められている。攻撃の後、現場に駆けつけた救助の列車も、PKK党員が鉄道に敷設した地雷が爆発したことにより脱線した。死者やけが人は出なかった。郵便貨物列車から約600mのところにあった爆弾も、作動しないように処理された。

■PKK犯行声明を出す
PKKは攻撃について、ヨーロッパにあるPKKの出版組織、メソポタミア通信社を通して犯行声明をだした。声明では、この攻撃が先週ビンギョルで殺された(PKKが主張するところの)エルズルム州司令官アフメト・オクルの追悼のために行われたことを明らかにした。
トルコ国営鉄道の社長代理タラート・アイドゥンは、現地で列車攻撃の可能性があるという情報をえて、必要な防止策がとられたことを述べつつ、このためにこの地域で運行する運転車両や職員用車両に装甲板がとりつけられていることを説明した。

■シリア初めての非難
シリアは事件後の公式会見で、トルコでPKKが行った攻撃を初めて非難した。外務省の説明では、シリアが攻撃を遺憾に思っていることが伝えられ、ダマスカスの中央政府はテロを激しく非難することを強調した。会見では、シリアがトルコ政府、同胞であるトルコ国民、そして遺族の悲しみを分かち合っていることが明らかにされ、そしてこの種のテロ攻撃がトルコや地域の安定および安全を危険に陥れていることに注目させた。

■攻撃に対する首脳陣の反応
セゼル大統領は追悼の言葉を放送し、攻撃に深い悲しみを感じていることを明らかにした。エルドアン首相やバイカル共和人民党党首も、反逆的攻撃を非難することを発表した。トルコ大国民議会議長ビュレント・アルンチは、ビナリ・ユルドゥルム運輸大臣に追悼メッセージを送った。ユルドゥルム運輸大臣は、攻撃を非難し、「住宅地から離れたエリアで起こるこの種の事件を100%管理するのは困難だ」と述べた。

■田舎の鉄道が危ない
PKKは、防衛が大変困難なことから、田舎を通る鉄道や乗客を乗せた列車に向けて数々の攻撃を仕掛けてきた。大きな反感を買った攻撃には次のようなものがある。
・1991/02/17 東部及び南東部に駐屯する軍の部隊に資材を運ぶ貨物列車が、カフラマンマラシュのパザルジュック郡付近で、テロリストがはずしたレールが原因で転覆した。事件で機関士紙1名が亡くなった。
・1991/09/03 ムッシュ・ゲンチ間の鉄道を制止したPKK党員のグループは、ムッシュ急行の数両に火をつけ燃やした。事件で機関士2名が亡くなり、警察官1名が殉職した。
・1992/08/27 テロリストは、バトゥマンで一台の列車を止め、運転室をガソリンで燃やした。
・1992/10/26 エラズー・ムシュ間を運行する列車が、トンネルの出口で地雷に衝突した。2両が転倒し、47名が負傷した。
・2004/03/06 PKKは、オスマニイェのバフチェ郡タシュオルックで線路に爆弾攻撃をした。爆発でレールが外れた。
・2004/08/16 レールに敷設された遠隔起爆式の爆弾により、タトワン・マラトゥヤ間を運行する貨物列車の爆破が計画された。
・2004/08/30 エラズーのパル郡付近で、レールに敷設された地雷が、貨物列車通過時にPKK党員のテロリストにより爆破された。6両編成の貨物列車のうち4両が脱線した。機関士2名が負傷した。
・2004/09/15 ムシュ・クルトカレ駅間で、PKK党員のテロリストが再度レールにしかけたC-4爆弾が遠隔起爆装置によって爆破された。4両が脱線した。

■クルプで警察官に爆弾の罠仕掛けられる
一昨日の晩、ディヤルバクルのクルプ郡で、不審な小包を調査しに向かった警察官3名は、爆弾が遠隔操作により爆発したため、軽傷を負った。イェニ・マハッレのウチヨルに不審な小包があると通報をうけ向かった警察官が小包に近づいた瞬間、遠隔起爆装置式の爆弾が爆発した。事件で軽傷を負った警察官3名は、昨日退院した。事件の後、クルプでは特殊部隊も加わった広範な捜査が開始された。


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( 翻訳者:井上さやか )
( 記事ID:369 )