エルドアン、滞在中のアメリカ・サンバレーで講演「世俗主義擁護」(Milliyet紙)
2005年07月07日付 Milliyet 紙

「政教分離は非常に重要」

サンバレーで、実業家やメディアの社長たちを前に講演したエルドアン首相は、政教分離が非常に重要であることを説明し、「宗教に基づく政治は、人間に対する侮辱である。」と述べた。

 レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、政教分離が「非常に重要で、社会の平和の根幹」であると説明し、「宗教に基づく政治を行うことは、民主主義と人間性に対して「暗殺」を企てるのと変わらない」と述べた。
 エルドアン首相は、アメリカのサンバレーで、世界的に有力な実業家やメディアの社長達を前に、「イスラーム国家トルコの民主主義の経験」というテーマで講演した。
エルドアン首相は、 「イスラーム、民主主義、そしてテロ」といった問題に関する自分の考えを説明し、国があらゆる宗教と信条に対して中立を保つこと、そして同等な距離をおくことが必要であると述べた。

■「トルコモデル」
エルドアン首相は、 「このため政教分離は、我々にとって非常に重要なものなのである。」と語り、イスラーム文化、民主主義の秩序、そして政教分離の原則、という(三者の)関係を最も成功した形で実践しているイスラーム諸国の先頭にトルコがいることを示した。

■ EU加盟の願望
エルドアン首相は、この理由により、トルコのEU加盟への強い希望を未解決のままにしないことが非常に重要であると説明し、「トルコのEU加盟の達成は、全世界、特にイスラーム社会に対し、東と西、イスラームと他の宗教が共存できることを示すことになるだろう。」と述べた。
エルドアン首相は、宗教に基づいて政治を行うこと、宗教をイデオロギーの道具とすること、宗教の考えをドグマ化すること、そして宗教の名において排他的な政治を進めることは、社会の平和にも、政治的多元主義にも有害であると指摘し、次のように続けた。「おそらく最も悪いことは、宗教を退化させることと、目的からそらす意味で用いることである。結局この行為は、私にとっては、宗教や民主主義を破壊することと同じである。」

■アメリカへのメッセージ
 エルドアン首相は記者からの質問にも答え、トルコ国内にみられるアメリカとの意見の不一致は、アメリカ政府が行う政策に比例していると述べた。トルコの世論が、メディアの情報とテレビ映像から影響を受けて形成されていることを説明し、(現在の)トルコ世論を良いものへ変化させる方法は、アメリカ政府の手中にあると述べた。アメリカ政府が北イラクのPKKに対する措置をとれば、トルコ世論に肯定的な方向で影響が表れるだろうと説明した。


 会議の後、エルドアン首相は妻とともに長い散歩に出た。散歩の時にも記者からの質問答えたエルドアン首相は、サンバレーが黒海に似ていると言った。首相は、ホテルにあったトルコとアメリカの国旗の前で家族とともに写真を取った。写真には、エミネ・エルドアン、息子のビラル、その妻エスラと娘のスュメイイェも写っている。


■贅沢な飛行機展示会
 海抜1810メートルのサンバレーの空港は2つの山の間にあるため、とても狭く大型の旅客機は離着陸できない。このためフリードマンメモリアル空港には、多くても30~40人乗りの小型の飛行機しか着陸できない。ニューヨークの有名投資企業「アレン・アンド・カンパニー」代表ハーバート・アレンが年に一度行うこの国際会議では、サンバレーは一瞬にして世界でもっともスタイリッシュで最新の自家用飛行機のショールームと化した。

■ブリッジパーティー
 サンバレー会議の著名参加者たちは、一週間、パネルディスカッションに参加し、仕事の協定を結ぶことだけでなく、アッパーサーモン川でのラフティングやゴルフ、魚釣りに乗馬と様々なスポーツ活動に参加した。しかし、この中で最も興味を引くものは、毎年行われるブリッジパーティーである。

■化粧禁止
 1970年代以来サンバレーでスキーをするハーバート・アレンは、サンバレー居住者ではないにもかかわらず、22年もの間行ってきた国際会議によって、サンバレーの経済に大きな貢献をしている。ハーバート・アレンは、客たちがジャーナリストの目の届かない、自然の中で滞在するためにできるだけのことをしている。同じように、会議の女性職員たちに、香水やマニキュアをつけず、濃い化粧を避けるという規則を作った。このように、客たちに数日間ではあるが、大都市の環境から遠い、自然の中にいることを感じてもらえることを目指している。


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( 翻訳者:佐藤淳也 )
( 記事ID:398 )